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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第7話『雪姫の実家へ。相変わらず小悪魔な先輩』
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ないよね……」
「……あ、いやその……」
急に萎れてしまうまくらに、逆切れしてみせた計佑も申し訳なくなった。
「……多分、せっかく海に遊びに来たのに水着も着れないのが面白くなかったんだと思う。
……八つ当たりしちゃってごめん」
今のまくらが水着に着替えてしまうと、計佑以外には水着だけが宙を動きまわってる様に見えてしまう。
だから確かにまくらを着替えさせる訳にはいかないのだが──
沈むまくらを見ていられなくて、あまり考えずにとりあえず口を開こうとして、
──パッ──
突然、まくらが水着姿になった。

──へ……?いきなり……何……?

しばし呆然として二人だったが、やがて感極まったらしいまくらが飛びはねた。
「やった〜〜〜っっ!!! 何だかわかんないけどやったーーーっ!!」
まだ呆然としたままだった計佑に、女中さんらしき女性が声をかけてきた。
「どうされました? 皆さんもう海に行かれたと思いますが……」

──ヤバイ!! 前みたいに服だけが浮いて見えるんじゃ……!?

咄嗟に立ち位置を変えてまくらと女性の間に割り入るが、
慌てて一歩だけ動いた計佑を、女性は不思議そうに見つめてくるだけだ。

──アレ……? 見えてない……のか?

今度はそっと身体をずらしてみるが、やはり特に女性からのリアクションはない。

「あっ、すいません何でもないんです。忘れ物とったら、またすぐに俺も行きますので……」
「さようでございますか。……それでは失礼致します」
お辞儀をして去っていく女性。
ほっとため息をつく計佑だったが、

──なんだよホント……都合良すぎんじゃないのか、この幽霊状態って……

あらためてまくらの状態に疑問を抱くのだった。

─────────────────────────────────

その後。
計佑も水着に着替え、皆と海で遊んでいた。
出来るだけまくらと一緒にいるようにして──
そして夕方になる今は、まくらと二人きりで砂の城など作っていた。
「誰かが私の願い叶えてくれたのかもね。
──例えば、私をこんな風にしちゃった原因の誰かがいて、せめてものお詫びにー……とかさ」
まくらが水着現象について、そんなお人好しな発言をしている。
「けーすけ……ごめんね。今日の私ちょっと態度悪かったかも……
せっかく遊びに連れてきてくれたのに、変にすねちゃってさ」
そんな風に謝ってくるまくらは、夕日のせいなのかいつもより小さく見える気がした。

──やっぱりコイツ、この状態に弱ってるんだよな……
わかってるつもりなのに、つい俺はいつもみたいにしちまうけど。今は俺がちゃんと支えてやらなきゃ……

改めてまくらの心配をしていると、
「ねえ計佑……先輩のこ
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