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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第7話『雪姫の実家へ。相変わらず小悪魔な先輩』
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のに、そんな風に笑ってもらえたりしたら──
「ほら! 早く戻ろっ!!」
雪姫が手を握ってくる。また一段と熱が上がる気がした。
「みんなでUNOやるんだって」

手を引かれるままに戻っていく少年。
──まくらの機嫌のことなど、すっかり忘れてしまったままで。

─────────────────────────────────

──本当によかった……怒らせたんじゃなくて。

せっかく計佑の向かいに座っていたのに、疲れからかいつの間にか眠ってしまっていた。
──男のコの目の前で眠っていられるというのも、彼相手だったからかもしれないけれど。
それでも、彼と色んな話をしてみたかった雪姫としては悔しいことだった。
別にそれを取り戻そうとした訳ではないけれど、
また彼をからかえるチャンスかと思っての今のやり取りだったのだが……正直、本当にびっくりした。
計佑に本気で拒絶された──そのショックは意外なほど大きくて。
もし彼がすぐにネタバラシをしてくれなかったら、涙まで零していたかもしれない。
だから彼が訳を打ち明けてくれた時には、心底ほっとした。

──でもそんなに恥ずかしいものかな? 服を間違えるくらい……

自分も結構うっかりなところがあるので、そんな風に考えてしまう。

──もしかして、変態とかとそういう事思われそうとか考えたのかな……?

しかし、雪姫は計佑がそんな類の人間だとは全く思っていなかった。
結構色々とやらかされてしまってはいるが、
彼が下心からやってきている訳じゃないのはわかるからだ。
いやらしい目でジロジロ見てきたり、言い寄ってくる人たちとは確かに違う──そう信じられる人だ。
(それに彼になら、今までそういう事をされてきてもイヤだと感じた事もない)
だから妹だかの水着がまぎれてしまったというのも、全く疑ってはいなかった。

──それにしても。

先ほどの、水着をつきだしてプルプル震えていた少年の姿を思い出して。

──やっぱりカワイイなぁ……

時々大胆な迫り方? をしてくる時には大いに焦らされてしまうのだけど、
狼狽えている時の姿は一転、とても可愛らしい。
そんな姿を見たから、今も安心して計佑の手を握ることが出来たのだった。

─────────────────────────────────

「じゃーん!着いたぞーっ!!」
ドカンと広い屋敷を前に、カリナの元気な声が通る。
「どーだお前らっ! 圧巻のデカさだろうがっ!!」
「貴方の家じゃないのに自慢しないで……?」
雪姫が苦笑して窘めたがが、勿論カリナは聞いていない。
「おおー……マ、マジでけー……」
茂武市はポカンと、硝子が『ほわー』と感激顔を晒している。
ヒャッホーと駆けていくカリナに、
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