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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第7話『雪姫の実家へ。相変わらず小悪魔な先輩』
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……!?」
ブンブン首を振るしかない計佑だが、
「私の水着とるなよ!!」
まくらが絡み付いて、ポケットに手を伸ばしてくる。

──ふざけんなっっ!!! 今ここで女物の水着なんかポケットから出てきたら……!?

「ちょっと大人しくしてろっ」
雪姫の前だが、流石に無視できず小声でまくらの耳元に叱りつける。
そんな怪しげな行動にますます訝しげな雪姫。
「…………」
無言で、すっと近づいてくる。
ギクリとするも、ヒュッと伸びてくる雪姫の手が、
あっと思う間もなく水着を突っ込んだポケットのほうに──

──おあああああぁ!!??

ポケットに手をかけられたところで、ギリギリその手をつかまえた。
至近距離で見つめ合い──雪姫の顔がニヤリとする。
「んー? 何も隠してないにしては随分な反応だねー?」
何度も見惚れてしまった美貌が至近距離にあるが、今の計佑は焦りからのドキドキしか感じない。

──先輩にばれたら……っ!!

「えいっ!」
雪姫が反対の手まで使ってポケットの中身をさぐりにきた。

──!!!!

<b>「やめてくださいっ!!!」</b>
思わず本気で怒鳴ってしまっていた。空気が一瞬で凍り付く。
「……あ」
我に返る。
雪姫も目を見開いていて、
「……ご、ごめんなさい……」
そして、急に悄然としてしまった。
俯いて、計佑から離れる。なんだか身体が小さくなったかのように、縮こまってもいる。
「……本当にごめんね? ちょっと無神経だったね……」
俯いたまま、計佑と視線を合わせようとしない。
公園でも一瞬見た、悲しそうな表情。
あの時はなんでそんな顔をするのかよくわからなかったが、今は間違いなく自分のせいなんだ──
そう思ったらいてもたってもいられずに、ポケットから水着を引っ張りだして雪姫の前に差し出していた。
「すいませんっ!! これを見られるのはどうしても恥ずかしかったからっ……」
「……え?」
「なんか間違って妹みたいなやつの荷物が紛れ込んでてっ……あのっ、こんなの見られたらそのっ……」
──変態とか思われるだろうから……という言葉は流石に続けられなかった。

──にしたって、怒鳴ってまで隠そうとするなんて。なんで俺……

委員長や森野先輩が相手だったとしても、勿論隠そうとはしただろう。
でも、なんで白井先輩だとここまで極端に抵抗があったのか……自分の事なのに分からなかった。
「……ぷっ……」
「……え?」
恥ずかしさで俯けていた熱い顔を上げると、雪姫が笑っていた。
「……それだけなの? 荷物を間違うくらい普通なことじゃない」
笑顔で雪姫が続けてくれる。
その笑顔に、計佑は、顔がさっきとは何か違う理由で熱くなるのを感じた。
軽蔑されるのも覚悟していた
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