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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話2話 ルイズの魔法修行
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まに耳打ちするとその顔を顰める。

「少々用事が出来ました。カトレアはルイズの面倒を見てあげていてください」

「ギル。でも……」

「埋め合わせはしますから」

 あっ!? まさか兄さま、ちぃ姉さまと何か約束してるんじゃ……。いや、絶対にしてる。渋々頷いているけど、姉さまの落胆ぶりがすごい。

「はっ!! そうだ。私も一緒に……」

「カトレアは、ルイズについていてあげてください」

 姉さまが名案とばかりに口にした言葉も、兄さまが即座に否定したの。笑顔のまま固まるちぃ姉さま。そしてそのまま「それでは」と、挨拶をして兄さまは行ってしまったの。

 残されたちぃ姉さまは、……怖いから逃げても良いかな?

 そんな私の想いを無視して、姉さまは私の襟首をつかむと……

「ルイズ。付き合いなさい」

「はい」

 逆らえない。絶対に。そして姉さまは私を引きずり……

「あの……。ちぃ姉さま。何処へ?(お風呂に行きたいんだけど)」

「良い所よ」

 連れて行かれたのは、ドリュアス家の離れにある厨房だったの。

「試作品を全部持って来て」

 試作品? 私が不思議に思っていると、たくさんの料理が運ばれて来たの。一つ一つの量は一口サイズで小さいけど、とにかく数が多くて全ての皿に羊毛紙が添えられていたわ。

「姉さま。これは?」

「良いから黙って食べなさい。感想もちゃんと書くのよ」

 そう言いながら姉さまは、一皿目を口に放り込みガリガリと乱暴に感想を書き込む。そして口を水で(すす)ぐと、次の皿に手を伸ばす。

 私もそれに(なら)い、次々に皿を片づけたの。そして残り二皿となった時……

「お待たせしました〜」

 皿の数が、食べ始める前に逆戻りしたの。この時はまだ余裕があったけど……

「次お持ちしました〜」

 もうお腹いっぱいね。これで終わりだと良いけど。

「次で〜す」

 ちぃ姉さまは、平然と食べ続けているけど……私は限界です。何と言っても、微妙に味が違う同じ料理が3〜5皿あるのが辛いの。感想(コメント)もどれが好みかぐらいしか書けないし。

「……ちぃ姉さま。もう入りません」

 素直にギブアップする。

「何? 私だけ食べて肥えろと?」

 何時の間にか共犯にされてる? 一緒に食べて、一緒に太れと? って言うか、目が据わっているんですけど?

「冗談よ」

 本当ですか? ちぃ姉さま?

「ヤケ食いである事は否定しないわ。と言っても、この程度では太り様がないけど」

 そんな会話をしながらも、姉さまの手は止まっていない。軽く殺意がわいたのは気のせいかしら? そんな私の視線に気付いた姉さまは、何処か疲れた様な
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