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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話2話 ルイズの魔法修行
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系統を虚無だと言っていたらと思うと、背筋が寒くなるわ。

 ガタガタと震える私を見た兄さまが、安堵の溜息を吐いている。

「ルイズも理解できたようですね。これで今回の訓練の目的は、半分達成出来ました」

 兄さまの様子からして、相当危険な立場に立っていたのかもしれない。これから人前で魔法を使うのは控えよう。いえ。使わないようにしよう。怖いから。

「さて、ルイズ。本格的な魔法の矯正に入りましょう」

「え?」

「え じゃありません。え じゃ。始めますよ。まず初めに、ルイズの杖を貸してください」

「はい」

 素直に杖を渡すと、兄さまは杖を持って私の後ろへ。そして私を後ろから抱きしめる様に立ち「私の手ごと杖を握って、《念力》を使ってください」と言ったの。

 ……ギリッ

 ちぃ姉さまの方から、空気が(きし)む様な音がしたわ。恐い。恐い。恐い。恐い。本気で恐い。

「カトレア。落ち着いてください。ルイズが集中出来ません」

 兄さまがたしなめると、姉さまから出てる怖い物が引っ込んだけど、代わりに「羨ましい」とか「覚えてなさい」とかうわ言の様に呟いてるの。あの……兄さま。恐さが倍増してます。

「大丈夫です。後で私が適当に相手してあげれば、カトレアの機嫌なんてすぐに直りますから」

 私が疑問の目を向けると、兄さまは視線を逸らしボソッと「長引かせなければ」とか言ってるし。そして何かに気付くと、慌てて「いえ、出来るまで付き合いますよ」と訂正したの。そうじゃない。訂正の方向性が違うの。

「長々とくっ付いてると、冗談抜きでカトレアが恐いので、やる事やって早く離れますよ」

「はい」

 異存は無いので、即座に頷いたわ。兄さまに指示された小石に《念力》を使うと……

 ――――チュドォーーーーン。

 案の定、爆発が起こったわ。そして兄さまが自分の杖を抜くと私に持たせ、同じ様に私の手の上から杖を握り《念力》を使ったの。近くに転がっていた石が、少しの間浮かび上がり地に落ちたわ。

「力の流れは感じられましたか?」

 私は素直に首を横に振る。

「今度はもっと集中して下さいね。もう一度やります」

「はい」

 今度こそ集中……と思ったら、兄さまの手がお腹にまわされて抱き締められてしまったの。と同時に、ちぃ姉さまから噴き出す怖い物。

「カトレア。ルイズが集中出来ません。邪魔するならあっちに行っていてください」

 兄さまーーーー!! ちぃ姉さまをこれ以上煽らないでーーーー!!

「ジャマシナイ」

 何で片言なの!? 余計に怖いわ!!

「うん。じゃあ、続けますよ」

 そしてこの状況を、ナチュラルスルーする兄さま。当然この状況で集中出来るは
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