志乃「納豆ってさ、人類の神秘だよね」
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から気になってたんだよね!伊月ぃ教えてよーどうやって志乃ちゃんを言い包めたの!?」
「包めてねぇよ。つかラブラブじゃねぇよ。変な誤解生むからそんなバカでかい声で言うな」
「大丈夫大丈夫!二人は兄妹なんだから、そんな気色悪い妄想する人いないって!」
いやぁ、それがいるんだなー。つか、お前が妄想の輪を広げてることに気付けや。
「まぁとにかく、お前のせいで遅刻するの嫌だからもう行くぞ、林葉先輩」
「あっ、逃げた!まぁいいや、今度聞かせてもらうからね!」
こいつに構ってたら一生会話の渦から抜け出せなくなる。早々に切り上げるのが一番の正攻法だ。最後に脱出する時も嫌味たらしく言うのは忘れない。
そして、俺達はやっとの事で校舎に入り、自分の教室へと向かうのだった。朝ってのは、本当に清々しいやら騒々しいやら。まぁ、騒々しいのは特定の連中だけだけどな。
*****
そういや、入学式を迎えてから一週間が経った。あの時は俺の人生が完全にぶっ壊れたとか思ってたけど、こうして特に問題を抱えるわけでも無く生活出来て本当に安心した。一応クラスの奴らとは普通に話せるしな。
五十嵐以外にも、クラスメイトには敬語を使わないようには言ってある。そのため、相手もフレンドリーに接してくる。その方が俺としてもやりやすいし、何より自然で良い。ぎこちない敬語使われても嫌味にしか聞こえないんだよ。
昨日から通常日課がスタートし、後々面倒くさくなる学校生活が本格的に始まった。周りの奴らは高校生活が初めてなわけだから楽しみなんだろうが、俺にその感情が湧く気配は無い。なにせ、一度体験しちゃってるんだしな。
とりあえず初回の授業ってのは基本的に教科についての説明とか教材の説明、後は教師の無駄話とか自己紹介で終わる。今日も一日中それだけで終わった。来週から通常授業が始まると言う。実際、高校なんて個人の動きが少し自由になっただけで、やる事は変わらないんだよね。
でもそれを他の奴らにわざわざ言うつもりは無い。そんなのは、クリスマスの日に貰えるであろうサンタクロースからのプレゼントに期待と希望と不安を混じらせている子供に『この世界にサンタクロースはいない』と教えるようなものだ。高校ってのは、青春真っ盛りのイメージばかりで塗り固められているんだからな。
帰りのHRを終え、俺はロッカーに行って教材を全て詰め込んでいた。いちいち持って帰るなどしたことがない。
すると、突然後ろから俺の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
「葉山君」
その声に振り返ってみると、そこには俺を上から見ている(バカにはしていない)五十嵐がいた。その顔はどこかぎこちなく、くりくりした目は左右をうろうろとしていた。
「どし
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