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相棒は妹
志乃「兄貴は学校のヒーローだね」
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よう」

 座る俺の横に立っているのは五十嵐蘭子。出席番号一番のわりと美少女なやつだ。土曜日にはカラオケ店で出会い、そのまま事件に巻き込まれる形となった。

 そういや、あの後あいつはどうしたんだっけ。川島さんの話によれば皆怪我は無くて無事に帰宅したって聞いたけど。

 「この間は大丈夫だったか?怪我は無いみたいだけど」

 「うん、大丈夫。でも君こそ大丈夫?まだほっぺちょっとだけ腫れてない?」

 あの時、俺は二発殴られた。一発は腹だったから誰にも見えないだろうけど、頬はやっぱりわかるか。まぁ一発だったからそこまで被害は大きくなかったかな。

 「まぁ、そこまで問題は無いよ。ちょっとズキズキするぐらい。ていうか、さ」

 そこで俺は五十嵐に質問してみる。当然クラスの連中についてだ。今もなお、時折視線を感じる。やっぱり俺が年上で兄妹が同じクラスにいるからかも。

 だが、俺がそれについて聞いてみると、五十嵐は苦虫を潰したような顔をする。どこか心当たりのあるような感じだった。なんか、俺に言えない事なのか?

 「それが、その……」

 「俺が一つ年上だから気になるとか」

 「それもあるかもしれない。でも、それだけじゃないんだよ」

 「どういうこと?」

 「ううん、ちょっとこっち来てくれない?」

 そう言うと五十嵐はドアの方に歩き、俺を手招きしてくる。なんだ、ここでは言えないような事なのかよ。

 そして、俺が教室から出る際も、クラスメイトの視線は絶える事無く続いた。全く、何が何だってんだか。

 *****

 五十嵐と俺は階段の踊り場近くにやって来た。勿論多数の生徒がうろついているが、これ以上離れるとオリエンテーションの流れを把握出来なくなるので、あえてここにした。

 そして、最初に話を切り出したのは五十嵐だった。

 「あのね葉山君、最初に言っておきたいんだけど……」

 五十嵐は俺と目を合わせず、下の方を見てモジモジしている。その目も一点を直視しているわけではなく左右を行ったり来たりしている。いつもの元気さがどこか遠くの彼方だ。なんかやりにくい。

 だが、五十嵐は決心したように顔を上げて俺を見る。その顔にふざけた雰囲気は無く、これが本当に真面目な話なんだという事がひしひしと伝わってくる。

 のだったが……。

 次の瞬間、真剣そのものだった表情は崩れ去り、照れるように頭を掻きながら申し訳なさそうな笑みを浮かべる。そして、やや遠回し気味に言葉を紡ぎ出す。

 「えっと、この間の土曜日私達事件に巻き込まれちゃったでしょ?それで、葉山君が流れを断ち切ってくれてさ」

 「ああ、そうだった、な……」

 ……話の意図が読めてきた。同時に、こいつに
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