第二章 迷い猫の絆編
第四話 迷い猫の涙
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「最期まで生きろ! ミウの側で、ミウの笑顔を何度もみろ!! 俺はそれを友達として手伝う!! だから最期まで足掻けぇ!!!!」
翔は両手を一つに重ね合わせ、ショコラの額に勢いよくぶつけ、魔法を放つ。
白銀の光が、ショコラを包み込む。
優しく、暖かな光。
痛みも苦しみも、全部包み込んで溶かしていく。
暴走させていた魔力すらも、徐々に消えていく。
全てを助ける救済の光――――――『|月光救いし祝福の光(アオフ・エアシュテーウング・レクイエム)』
『これは‥‥‥』
「ぐ‥‥‥ぉぉぉおおおおおおおおッ!!!!」
確実にショコラを襲った暴走の魔力は浄化されていく。
だが、この魔法は奇跡。
奇跡は簡単に使えない。
膨大な魔力、限界を何度も超えて発動しなければいけない。
翔は苦しみながら声を上げる。
「まだだ!!! まだ足りない‥‥‥もっと、もっとだぁぁああああ!!!」
泉のように溜まっている魔力。
それを徐々に出すなんて方法では、足りない。
ならば、泉ごと持ってくればいい。
「ぉぉぉおおおおおおお!!!!!」
翔とショコラを包む白銀の光が、更にその輝きを増していく。
激しい光、月にも勝るとも劣らない光。
それは奇跡となりて、ショコラを元の姿に戻してあげるのだった――――――。
***
「はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥はぁ」
全てが終わり、翔たちはショコラを囲むように集合して、その場に座りこむ。
翔は仰向けに大の字に倒れ、ルチアと静香は涼しい表情のまま正座、ミウは両足の間にお尻を落として座る。
翔は疲れのあまり、しばらくは息を荒げていた。
「はぁ、はぁ、取り敢えずショコラは、大丈夫だ‥‥‥はぁ。 今はまだ暴走の後遺症が残って、しばらくはまともに動けないだろうけど、大丈夫だ」
「お兄ちゃん‥‥‥ありがとう」
涙を流しながら、ミウは笑顔で翔にそういうと、翔は笑顔で頷く。
するとルチアはむぅ〜と顔を小さく膨らませながら言った。
「相良君、幼い子が趣味なのね」
「俺をロリコンみたいに言うな。 というかルチア、何起こってるんだ?」
「別に怒ってないわ。 ただ、あなたがそういう趣味だったことにがっかりしただけよ」
「怒ってるじゃないか?」
「怒ってないと言ってるわ」
「怒ってるって」
「怒ってないわ!」
「はい二人共ちょっと黙って頂けませんか?」
「「はい、すみません‥‥‥」」
翔とルチアが言い合いになると、静香が側に転がっていた岩を勢
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