第三十四話 失意
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す顔がない。
イレギュラーハンターの称号を返上し、ハンターベースから去る。
それが、悲しみ、絶望、失意…。
様々な負の感情に縛り付けられたディザイアに出来る唯一の方法だった。
だが、出ていく前に、エックスとルインに結果を報告しなければ。
自分の胸に溢れている悲しみを無理やり抑え込んで、報告を続ける。
ディザイア「全ては…私の責任です」
淡々と語るディザイアの声は震えていた。
エックス『レプリフォースは甘くない。お前は確かに強いが、レプリフォースは戦闘のプロだ。直ぐに戻って来るんだ』
ディザイアの脳裏に、かつてエックスが言った言葉が甦る。
あの時、ディザイアはエックスにこう言い返した。
ディザイア『ご忠告、ありがとうございます隊長。ですが、今の私の実力は特A級のそれに比類します。過去の大戦の時のようにあなたに頼るしかなかった時とはもう違います。今は、私でも充分やれるんですよ』
しかし、自分は元イレギュラーハンターの特A級であるスパイダスには手も足も出なかった。
そしてエアフォースに向かう時も…。
ゼロ『…お前一人で何が出来る。今すぐ戻ってこい』
ディザイア『これはこれはゼロ隊長…私はスパイダスとの戦い以後、更に力をつけました。フクロウルのようにただ後方で指揮するような臆病者には負けませんよ』
あの時、ゼロはディザイアの言葉に怒る素振りも見せず、無言のまま見つめていた。
ゼロは何も分かっていないのだと、当時のディザイアは思った。
だが、分かっていなかったのは自分の方だった。
怒るわけでもなく、あれ以上何も言わずに、冷ややかな目を自分に向けたゼロ。
きっとゼロは、何も知らず血気にはやる自分を見下し哀れんでいたのだろう。
そう思うと、ますます自分が愚かで惨めに思えた。
ルイン『でもディザイア、君だけで挑むなんて無謀だよ』
ディザイア『ふ、副隊長…』
アイリス『そうです!!フクロウル参謀長は知略だけの方ではありません!!兄やジェネラル将軍が一目置くほどの…』
ルインの否定の言葉にアイリスの自身を案じる声に怒りが爆発した。
ディザイア『うるさい!!』
ディザイアがエアフォースに戦いを挑むのもひとえにルインに認めてもらいたい気持ち、そしてエックスへの対抗心から。
自分の想いに気づいてくれないルインに対しての苛立ちが出てしまった。
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