中学校で勉強したことなんて今更思い出しようもない
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「いや進むもなにも、瀬川も朝風もビックリするほど基礎がなってないからまずそこから説明してる」
「そう……」
「んで?そっちはどうなのよ。綾先と花菱、両方とも死んでんじゃん」
「あはは………」
「無理に詰め込もうとすんなよ。花菱はともかく、綾先なんて学校通い始めたばっかなんだから」
「わかってるわよ。こっちの心配するよりそっちの心配しなさいよ」
「だな。まあ、4日もあれば赤点は回避できるだろ。てか、させる」
「あら、妙に乗り気じゃない」
「巻き込んどいてよく言うよ、まったく」
彼は肩を竦め言う。
そうだ、そうだった。今日彼は巻き込まれた立場。美希ちゃんが主犯と言うものの、関与した理紗ちゃんとあたしは自分の意思。多少の罪悪感も芽生える。なにか用事があったのなら申し訳ない。
「でも思ったよりがんばったほうじゃねえか?瀬川」
「ほぇ?」
彼の突拍子もない言葉に驚く。
恨まれる、バカにされるならまだしも、褒められるとは。……褒められているのか?果たして。
「もっと早く音を上げると思ってたし。現に朝風はこんなんだろ?」
と理紗ちゃんを指差し、笑みを浮かべる。
「そんなずっと集中して勉強しろって言うのは無理だし。がんばったほうじゃねえか?」
「人間の集中力は15分が限界って言うしね」
彼に続いてヒナちゃんも口に出す。
「でも今回の泉はいつに増して頑張ってるわね」
「そうかな?」
いつに増して、か。意識していないからわからなかった。ーーと言うか意識は他のところに言ってたし……。
「今回のテストは大丈夫そう?」
「いやあ……どうでしょう」
曖昧な返事しか返せない。
まだ勉強を始めて1時間ちょっとしかたっていないのだから仕方のないことだ。
「普段から勉強してればこんなことにならないのにね」
「あはは……」
そんなことわかっている。それが出来ないから困っている。と言うか、それが出来なくて、テストで赤点を取ってしまい、補講を受けなければいけないから困る。
「キリは全然よくねえけど、今日はそろそろやめだな」
そう言うと、優太くんはペンを置く。
「もう?」
「始めた時間が時間だからな、足りねえ気もするけど」
「だったら尚更やめる理由が見当たらないわよ」
ヒナちゃんの言う通りである。正直、ここで終わるのは嬉しいことだが、試験のことを考えると不安だ。
「おれがあんだよ、これから用事。明日どーせやるんだからいいだろ」
と、彼は勉強道具をカバンにしまい始める。
「そうね、止める理由はないわ。わざわざ手伝ってもらってありがとね」
「なんもなんも
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