第二十二話 番外編〜裏舞台の死神〜
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20代前半のスーツ姿の男が暗闇の中を歩いていた。男は『死神』という存在である。死神はしばらくの間、暗闇の中を歩き続け目的のものを見つけると足を止めた。
それは扉だった。死神は扉を開け、中に入る。そこには何人(?)もの死神がいた。
「小宮山ミレイの神様転生は?」
「首尾よくとはいえませんが神様転生はしてもらえました」
一人の死神の問いに彼は答える。
「お前、確か『小池』だったか。小宮山ミレイに名乗った名は」
彼らは下級の死神であるために、特定の姿名前を持たない。つまり今の小池の姿も仮初の姿でしかないし、『小池』という名も小宮山ミレイに合わせた偽名にすぎない。
「いや、しかしこんな事態がおこってしまったとは」
「こんな事態?神様転生のことですか?」
「まあそれに関連していることだが……『影響』の事だ」
小宮山ミレイは本来死ぬはずがなかったが、神の誰かが彼女を事故死で殺したため様々なことが起こった。例えば小宮山ミレイの子孫がいなくなったり、小宮山ミレイが生きていることで起きた事象がすべて消えたりといったタイムパラドックスが彼女がいた世界で起こったり、『本来生きているはずの人物が死んだ』という事から時空軸、因果律が歪み、それが数多の世界に及ぼしてしまった被害を『影響』と死神(と小宮山ミレイ)は呼んでいる。
「『影響』ですか」
「ああ。おかげでやるだけで鬱になる仕事を大量にやらされる事になった」
「私に何か出来ることは」
「とりあえず小宮山ミレイの神様転生の状況と与えた特典について話せ」
「はい。では今から小宮山ミレイの神様転生の様子を話しますね。彼女は私から神様転生をすることになったと聞いたとき憤慨してました」
そりゃそうだろうという声が死神の中から聞こえたが小池は気にも止めず話を続けた。
「しかし、彼女の怒りは神様転生をし、転生先の世界で役目を果たせば元の世界に戻れるといったら収まりました」
別に小池はうそは言っていない。小宮山ミレイが転生した世界で影響を消せば元の世界に戻れるというのは事実だ。
「そして特典のほうですが彼女が要求したのは『魔法の力』と『カジノで必ず勝てる能力』の二つのみでした」
「特典がたったの二つ?無欲な転生者もいたものだ」
「ええ。そして彼女は特典を与えられた後転生しました」
「なるほご。報告感謝だ『小池』」
「さて、次にやるべきことは?」
「これだ」
一人の死神のタブレット端末に映っていた内容。それを見た小池はただ一言。
「わかりました。では、早速実行します」
小池は部屋を出、再び暗闇の中を歩き出した。
「会うのが楽しみですね、小宮山さん」
彼のつぶ
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