旧友との決闘
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判断ではある。だが、少し俺のほうが動くのが速かった。振り下ろされた槍は、瞬時に俺の手にオブジェクト化された双銃によって防がれる。
これが俺が戦闘前に仕込んでおいた策。《クイックチェンジ》である。クイックチェンジとは、あらかじめセットしておいた予備の武器を、ショートカット一つで顕現させることができるオプションの一つだ。
元々、俺の斬撃は突破されるだろうと予想していた。じゃなけりゃ、レナは俺に決闘を挑んできたりはしない。そして、ここまで距離を詰められた時、俺には対抗しえるだけの武器を持っていないとレナは思っていたのだろう。だから、武器を弾いてそこで止まってしまった。クイックチェンジ自体はそう珍しいものでもない。もしクイックチェンジされても、俺が普段使う武器なら難なく倒せる、そういう油断が出来てしまっている。だが俺には、これ(銃)があった・・・。
「エクストラスキル、《銃火器》。の、派生《銃衝術》だ。これが俺の秘密だ。さて、仕切り直しと行こうか」
「ちょ、先輩、銃って卑怯臭くないですか!?」
「問答無用だ」
双銃を交差させて受け止めていた槍を弾き、そのまま追撃に移る。片手で槍を受け、もう片方でレナに向けて突き、斬る。手数の差で上回り、今度は徐々にレナを追いつめていく。槍の内側にもぐりこみ、レナの本領が発揮できない距離を保つ。一度離れようとすれば、容赦なく銃弾をばらまき、近づいてくれば、パリィとカウンターの2連で圧倒する。
が、しかしレナもレナだ。至近距離から放たれる攻撃を、自分の感覚だけでかわし、隙あらば槍を払って俺を離そうとする。
「久しぶりだなっ、と、こんな、にも、打ち合うのはっ」
「それっ、には、同感、ですっ」
少しずつだが確実にレナのHPは削れていき、時折、俺のHPがガクッと減少する。
もう俺もレナも残りのHPを気にせず、打ち合い続け、その結果・・・・
「あー、今回もだめでしたか・・・倒したと思ったんですけどねー」
「まだ、お前には負けられないさ。ま、結構危なかったけど」
この決闘に勝ったのは、俺だった。
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