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ネギまとガンツと俺
第34話「ネギまと俺〜倒錯する想い〜」
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されたクーは成すすべなくそれを見つめる。

 タケルの足元、アスナは完全に意識を失った。

「アスナ!?」

 クーの焦り声に反応したのは他の誰でもなく、タケルその人。

「4人」

 無造作に約2Mの距離を潰し、これまた無造作にソードの柄を、動けずにもがくクーの水月へと打ち下ろした。

「……!?っ」

 アスナに気をとられた一瞬のことだった。

 僅かにでもタケルから意識を離してしまったクーにそれを耐える腹筋は用意されておらず、当然のように気を失いぐったりと動かなくなる。

「……」
「……」

 一陣の沈黙が場に流れ、チサメが。

 まるで今になってやっと言葉を思い出したかのように、呟いた。

「……化けもんだな、ありゃあ」
「あ、アニキのパーティーが気付けばもう5人になっちまった」

 同じく声を震わせて呟いたのは、オコジョのカモ。

「これで……7人」

 しかし、まだ終わらない。タケルの言葉が、呆然と。

 場の空気を支配した。

「え?」

 固まる彼女達。

 どさりと、後ろで見ていた三人―ユエ、パル、チサメ―が一斉に倒れたのはその数秒後だった。

「あと……2人」

 残された人物―楓、刹那、木乃香。それに傍観者の超鈴音とカモが、同時にごくりと息を呑んだ。




 誤算だった。

 表情は変えず、それでも奥歯を噛み締め、目の前の二人と対峙する。

 ――くそ。

 一気にアスナとクーの二人が飛びかかってくるところまでは予想通り。倒れる彼女たちを見た刹那か楓のどちらか、あるいは両方が仲間を守るために動くと、タケルはふんでいたのだ。

 致命的な隙を生むはずのその瞬間を、まだ中学生の彼女たちはタケルの企てに気付き、自制した。

 作戦が少しチープすぎたのかもしれない。作戦は失敗。

 それならせめて少しでも人数を削ろう、と後ろで控えていた三人を気絶させたが、楓か刹那の一人を気絶させることに対して、割に合わない。

 ちなみに、気絶させたのが4人ではなく、3人だったのは『あえて』のこと。

 ――近衛さんを気絶させるわけにもいかないからな。

 小さな息を吐き、諦めたように構える。

 もしも、大きな傷を負わせてしまった時、やはり頼りになるのは木乃香の回復魔法。元々重傷を負わせるつもりはないが、ガンツ兵器の威力はどれもが群を抜いている。打ち所が悪ければ、Xガンの威力をどれだけ抑えていても、どれほどの傷を負わせることになるかわからない。

 木乃香だけは最後まで気を失わせるわけにはいかなかった。

 ――残された道は一つ。正攻法で裏をかく……しかない、か。

 既にスーツの恩恵が切れている今、仕方無
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