第34話「ネギまと俺〜倒錯する想い〜」
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
されたクーは成すすべなくそれを見つめる。
タケルの足元、アスナは完全に意識を失った。
「アスナ!?」
クーの焦り声に反応したのは他の誰でもなく、タケルその人。
「4人」
無造作に約2Mの距離を潰し、これまた無造作にソードの柄を、動けずにもがくクーの水月へと打ち下ろした。
「……!?っ」
アスナに気をとられた一瞬のことだった。
僅かにでもタケルから意識を離してしまったクーにそれを耐える腹筋は用意されておらず、当然のように気を失いぐったりと動かなくなる。
「……」
「……」
一陣の沈黙が場に流れ、チサメが。
まるで今になってやっと言葉を思い出したかのように、呟いた。
「……化けもんだな、ありゃあ」
「あ、アニキのパーティーが気付けばもう5人になっちまった」
同じく声を震わせて呟いたのは、オコジョのカモ。
「これで……7人」
しかし、まだ終わらない。タケルの言葉が、呆然と。
場の空気を支配した。
「え?」
固まる彼女達。
どさりと、後ろで見ていた三人―ユエ、パル、チサメ―が一斉に倒れたのはその数秒後だった。
「あと……2人」
残された人物―楓、刹那、木乃香。それに傍観者の超鈴音とカモが、同時にごくりと息を呑んだ。
誤算だった。
表情は変えず、それでも奥歯を噛み締め、目の前の二人と対峙する。
――くそ。
一気にアスナとクーの二人が飛びかかってくるところまでは予想通り。倒れる彼女たちを見た刹那か楓のどちらか、あるいは両方が仲間を守るために動くと、タケルはふんでいたのだ。
致命的な隙を生むはずのその瞬間を、まだ中学生の彼女たちはタケルの企てに気付き、自制した。
作戦が少しチープすぎたのかもしれない。作戦は失敗。
それならせめて少しでも人数を削ろう、と後ろで控えていた三人を気絶させたが、楓か刹那の一人を気絶させることに対して、割に合わない。
ちなみに、気絶させたのが4人ではなく、3人だったのは『あえて』のこと。
――近衛さんを気絶させるわけにもいかないからな。
小さな息を吐き、諦めたように構える。
もしも、大きな傷を負わせてしまった時、やはり頼りになるのは木乃香の回復魔法。元々重傷を負わせるつもりはないが、ガンツ兵器の威力はどれもが群を抜いている。打ち所が悪ければ、Xガンの威力をどれだけ抑えていても、どれほどの傷を負わせることになるかわからない。
木乃香だけは最後まで気を失わせるわけにはいかなかった。
――残された道は一つ。正攻法で裏をかく……しかない、か。
既にスーツの恩恵が切れている今、仕方無
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ