ターン10 ノース校と選ばれし戦士(後)
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「え………?」
呆然として、声が出ない。そんな、だって、あの葵ちゃんがいつの間に。昨日会った時だってそんな感じじゃなかったし、今朝から今までの間はほぼずっと夢想と一緒にいたはずだ。じゃあ、一体いつ。
「おいおい、なんか随分面白い顔してるじゃんかよ」
「よ、鎧田!どうもこうもないよ、いま天田が………」
確か、鎧田はまだ光の結社に入ってないはずだ。ごく普通の格好をしてるところを見ると、サンダー四天王もまだ………と、そこでハッと来た。もしかして、翔がずっと試合を中止するように言ってたのはこのことを知ってたからなんじゃあ。
「翔!」
慌てて彼の方を見ると、悲しそうに目を伏せられた。何か言おうとしていたようだが、それより先に鎧田が口を開く。
「天田、そう天田な。いやー、実際こいつには苦労させられたぜ。どうも途中から自分しか残ってないのを薄々勘づいてたみたいでな、ここんところ何回誘ってもデュエルしてくれないわ、なんのかんの言ってどこかへ逃げちまうか、挙句の果てにはデッキを持ち歩かないからデュエルをしないなんて荒業までやりやがるしな。でもまあ、それも今日で終わりだ。ん?どうした?なんだよ、せっかく人が話しかけてやったのにシカトか?親の顔が見てみたいもんだな。まあいいさ、じっくりたっぷり……」
「ネタバラシ、とでも『洒落込みましょう』か、先輩?」
洒落込みましょうか、のところで器用に僕の口真似を織り込んでいきつつ会話に割り込んでくる葵ちゃん。わりと似てると思うけど、僕の口真似なんてそんなしょうもないものいつの間に覚えたんだろう。
そんなどうでもいいことを疑問に思っていると、なにか気の利いたことを言う前に口が勝手に動いていた。
「ああいいよ、耳の穴かっぽじって聞いてやるからさっさと話してちょうだい」
んー、口悪いな僕。こういう喧嘩腰な態度は友達なくすからやめようって思ってたはずなのに。でもまあ、驚いてるのは僕だけじゃない。むしろ僕以上に剣山たち外野の面々から驚きの目を向けられてる気がする。無理もないか、アカデミアに来てからは基本的には穏やかな人だったからね、僕。そしてそのイメージは葵ちゃんにとっても同じだったらしく、一瞬へえ、という表情になったもののすぐにまた不敵な笑みに戻った。
「では遠慮なく。そもそも、私が光の結社の素晴らしさを知ったのはつい昨日のことです。ほら、先輩のところに3人組が行ったでしょう?あの時私が一人でいた時、こちらにも光の結社の方が来てくださったんですよ」
「ああ、それは確かに見たよ。ちょうどすれ違った」
そう、それは覚えている。その後で葵ちゃんにおかしな点が時になかったからてっきり撃退したもんだとばっかり思ってたけど、どうやら違ったらしい。つまり、あの時からすでに引っ
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