Mission・In・賽の河原 中編
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しなきゃいけなくなったよ!?」
「で、何か用かスケベ鬼?こっちは・・・いいもん見させて貰っ―――」
「死ね!!鬼もろともおっ死んでモヤシにでも転生してしまえ!!豚肉と一緒に炒めて食ってやるこんのエロガキぃぃぃ!!」
「・・・・・・」
悔しくなんかないんだからな。別に想定していたダメージを与えられなかったうえに、女の子の股間を見てしまって言い訳できなくなったせいで悔しくなったわけじゃないからな。
だが、それよりも重要な案件が残っている。法力の力を固定させ、周囲から少しずつ弱めることによって供養の塔以外の石を少しずつ崩していかねばならない。
子供のせいで本当にもう時間的余裕がない鬼は、生唾を飲み込みながらもその集中力を多大に消費する作業へと突入した。
「畜生、手こずらせやがって・・・ま、まずい・・・巡回終了まで体力が保つかぁ・・・?」
その後、残りの十数分で何とか供養の塔を崩さずに石のみを崩しつくすことに成功した鬼は、法力の使い過ぎも相まってよたよたしながら走って次の区画に向かった。今からなら間に合う。ここでダイヤの遅れを起こすと本末転倒だ。
そして走っていた鬼は、ふと「他の子供たちは何をしていたんだろう」と思い至った。鬼はこの区画には何度も来たことがあるが、今日見た子供は今の所全員の半数ほどしか見ていない。それも遠くから鬼の後ろへ走り抜けていった連中も含めてだ。
では、残りの子供は何をやっていたのか―――
「あ―――」
そう考えた鬼の瞳に、絶望が映った。
―――想像以上に時間を稼げたな。
―――地蔵菩薩はまだ来ていないか?
―――ならあとは残りの連中が上に積み上げれば、計画完遂だ。
―――バベルの塔が、天に届く日が来た。
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