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【短編集】現実だってファンタジー
Mission・In・賽の河原 中編
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完成させて救済を受けるため。

(まさか、こんな餓鬼どもがこの賽の河原の決まりを利用したうえでこんな賢しい真似をするとは・・・・・・!!)

今までも、それまでの時代の落とし子とは明らかに違う異質さを見せつけてきた平成の餓鬼共。怠惰と堕落にまみれながらも、自らの意思を通すためには大胆すぎる行為を平気でやってのけ、もはや鬼が(おそれ)の対象であることさえ忘れ去った煩悩の塊どもめ。

こんな餓鬼どものせいで、俺の出世街道は―――

「と言うとでも思ったか、馬鹿め!!」
「「「「何だと!?」」」」

子供たちに動揺が走ったが、その行動は遅きに失した。全く馬鹿なガキどもだ。その程度の対策はとっくの昔に開発されているんだよ。
力の起点は印を結んだ、特にすごいものが潜んでいる訳でもない鬼の右手。ここで働く鬼たちの法力は確かに細かいコントロールを効かせられない。だが―――

「お前ら道を塞ぐ餓鬼を浮かせてしまえばこっちのもんよ!!」

そう、円陣を組む子供たちだけを浮かせるくらいなら訳はないのだ。むしろ繋がっている分浮かせるのは余計に簡単だ。どうだ餓鬼共、今まで必死で考えた浅知恵が簡単に破られた気分は。お前らが鬼の行動を阻害するのなら、怪我をさせないという限定的な条件付きで、こういう手は使えるんだよ。

目を白黒させて空中で慌てながらもがく子供たち。だが自力で空を飛ぶ力も法力を破る力も持っていない彼らは、ただなされるがまま宙に浮くことしか出来ない。勝ち誇った鬼は、精一杯の憎たらしい笑顔を返してやった。

悔しいか、大規模な作戦をあっさりひっくり返されて。
悔しいか、ここまで追い詰めておきながら最後にドジを踏んで。
それがお前らの末路だ。法力は物体を固定させることも出来るから、これを応用すれば中心の塔を崩さずにお前たちの積石だけを崩し去ることが出来るんだ。つまりお前たちの負け―――

「くそ、テメ、汚ぇぞ!素手で勝負しやがれってんだキン○マついてんのかボケナスぅ!!」
「んーこれは困ったな。空中浮遊体験はいいけど体が回ってバランスとれないぜ。姉御、どうす・・・・・・ゑ?」
「いやぁーー!?こっち見ちゃ駄目!ちょっとこの、下ろしなさいよ!降ろしてぇぇーーー!?」
「あ、姉御・・・・・・まさかこの賽の河原に来てからずっとノーパ・・・」
「五月蠅い喋るな口に出すな垂れてる鼻血ひっこめろバカバカバカぁーーー!!」
「あー・・・・・・そうか、日本に限らず昔は女性が下着をつける文化少なかったらしいもんなぁ」
「・・・リーダーのすけべ」
「え、いや、俺はただ事実を・・・」
「・・・すけべ」
「・・・・・・ごめんなさい」
「生まれ変わってアチシをおヨメさんにしてくれたら許す」
「条件厳しくない!?輪廻転生の先に君を発見
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