暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth6聖王家の番犬〜Meister des SchwerT〜
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かもしれない。
でも・・・「判ってるから、無言の圧力はやめてアンナ・・・」アンナの視線がすごく痛い。わたしの憧れの御方オリヴィエ王女に会いに行きたい――つまりオーディンさん達について行くっていう提案の予防。アムルの長としてちゃんと仕事しないといけないからね。無理は言わないよ。本当はすっっごく行きたいけどね。もう一度言うけど、行きたいけどねっ。

「では早速行って頂けますか? 街の外に馬と案内人を用意していますので、途中まで陸路、ラキシュ領半ばからは飛空船での空路となります」

国境近くであるアムル周辺には飛空船は入れない。飛空船でアムルに近づくと、イリュリア(だけじゃなくてどこの国境でもそうだけど)に攻め込まれると思われて、本格的な戦争に発展する可能性があるから。
すでにイリュリアとは何度も交戦しているから今さらなようだけど、今はまだ騎士団同士の軽いものだ。それが艦隊戦となるとまずい。アムルが最前線となって戦火に包まれることは必至、わたしたち住民は避難を余儀なくされる。

「判りました。用意が完了次第向かいましょう。エリーゼ、君の能力をお願いしたいんだけど、いいかな?」

「ほえ?・・・・は、はいっ。もちろんですよっ」

いつもはわたしからからなのに、オーディンさんから言ってくれるなんて。頼りにされた。お願いされた。嬉しい。だからすぐにオーディンさんに抱きつこうとして、「はしたない。抱き付く必要ないでしょ」ってアンナに襟首を掴まれて止められた。
項垂れながらオーディンさんの右手を取って、手の甲に唇をチュッ?と付ける。それだけで発動するわたしの能力・乙女の祝福クス・デア・ヒルフェ。わたしを含めたシュテルンベルク血族の女性は、魔力の核を生まれつき2つ持ってる。片方は自身の魔導の為に。そしてもう片方は能力の為に在る。能力用の核は回復も早い上に扱える魔力の量も多い。

「はい、回復完了ですっ♪」

「ありがとう、エリーゼ。じゃあ少し出てくる」

「あ、はい。お気を付けて」

オーディンさんはアギトとモニカ、シャマルさんを連れて医院に戻って用意を始めた。わたしはアンナを見る事なく「見送りの時間くらいくれるよね?」って尋ねる。アンナは「一緒に見送ろう、エリー」と言ってくれた。それから3分とせずに用意を整えたオーディンさん達を見送るために北門にまで来た。街の全員とはもちろんいかないけど、それでも数十人と見送りに来てくれた。

「モニカ、ルファ。私とシャマルがアムルを空けている間、医院の事を任せるぞ」

「はい。お任せを」

「うんっ。安心して行って来て、オーディン先生、シャマル先生♪」

「ええ。行ってきます♪」

こうしてオーディンさん達はわたし達に見送られて、クラウス殿下とオリヴィエ王女の待つ王都ヴィレハイ
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