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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth6聖王家の番犬〜Meister des SchwerT〜
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割いた方が良いかもしれないな」

思い思いに言っていく騎士団長ら。

「いやだね。なんとしても騎士オーディンも守護騎士も、そしてアムルも落としてやる。俺らは卑怯な戦術もとるし、騎士としての誇りなんてもう捨てちまったけどさ。それでもイリュリアの一員としての誇りだけは失ってないぜ」

しかしファルコは全員を順繰りに見、力説した。そして最後に「だから俺は逃げない。騎士オーディンだけは必ず討ちとる」と言い切り、メンバーの顔を順繰りに見る。

「しかしそうは言っても、真っ向からぶつかっても返り討ち、あなた達のようなから搦め手を使っても返り討ち。もう下手に敵に回すより放置して別の国家とぶつからせておいた方が良いのでは?」

「僕も盟友ウルリケと同じ意見です。これ以上弱小国(シュトゥラ)に戦力を割いて、騎士団を失うわけにはいかない」

「俺も。テウタ王女の手足として今後のイリュリアを支える俺たちが、これ以上の敗戦記録を伸ばすわけにはいかないしな」

「盟友フレークと盟友ゲルトも同意見か。盟友ファルコ。気持ちは解るが、しばらくシュトゥラ――アムルと騎士オーディンの事は度外視しろ」

グレゴールにそう言われ、ファルコは納得してなくとも「了解(ヤヴォール)」と応えた。もちろんこの場に居る全員も、本音を言えばオーディンを墜としたいと思っている。しかしそれ以上に厄介な相手がベルカ統一という覇道の行く手に控えているため、残念ながら後回しにするしかなかった。

「とにかく。これからはウラル・リヴォニア・リトヴァの三連国(バルト)との決戦を主軸にして調整していく。それともう1つ。他の上位騎士団もテウタ王女派へと参入させる事も念頭に入れておけ。
政治家連中には我が声を掛けておく。バルデュリス陛下ももう長くない。あとはゲンティウス殿下派との派閥争いを決着させるだけ。それでようやくベルカ統一戦争の真の始まりとなる。シュトゥラの件は後々の情勢次第で、ということをテウタ王女に進言しておく」

グレゴールがそう締めくくり、各騎はそれぞれ頷き応えた。

†††Sideエリーゼ†††

先のイリュリア上位騎士団との戦闘から一週間。
この一週間は平和なもので、オーディンさんもシグナムさん達ものんびり過ごす事が出来ていた。今もこうして屋敷前の大広場でシグナムさんとヴィータちゃんとザフィーラさんが、街の大人や子供たちに魔導や技術を教え込んでいるのをゆったり見学できている。
お三方がみんなに教えている技術や魔導は敵を斃すためのものじゃなくて、大切な何かを守るためのもの。オーディンさんの信念の下に戦う力を求めたみんな。そしてそれに応えて教えるシグナムさん達。

「アムルはきっと良い方向へ向かってるよね・・・・」

純粋に力だけじゃなくて心の在り方
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