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アラガミになった訳だが……どうしよう
派遣社員になった訳だが……どうしよう
21話
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、まぁ言っていることはなんとくだが、ある程度理解はできるな。
「うん、それじゃあ続け「ちょっと待って下さい」……なに?」
急にイザナミの言葉を遮って、カノンがにっこりと笑顔を浮かべて、全く笑っていない目で俺を見る。
「マキナさん、今後心で話すの禁止です」
「……いや、話すも何も一方的に覗かれてるのであって、断じて俺の意思ではな「禁止です」……はい」
本当に何処でどう育て方を間違えたのやら……いや、親じゃないんだけど思わずそんな愚痴を零してしまう。昔はトリガーハッピーな片鱗こそあれ、もう少し落ち着いた子だったのに……
おじさん、悲しいな……もう、四十が見えてきた年なので、自分をおじさんと呼ぶことに抵抗も無くなってきた。
ただ、外見はピクリと変わらないので誰も信じてくれないがな。
「悪い、話が逸れたがイザナミ、続けてくれ」
「えっと、確かにコピーがどうのってところまで話したよね?そうなると後は簡単、私の偏食場パルスでマキナのオラクル細胞に私をマキナと誤認させてマキナの思考を同期させてるの。
逆に同期されているマキナは読んだとしても、読める記憶はマキナの思考を同期した私の記憶だけだから、結局自分の記憶を読んでいるだけになるというわけなんだよ」
「成る程、盗み見ているというよりは、思考そのものを同じにしているって事だな?」
で、最後のは嘘で中身が人間で偏食場パルスの使えない俺はお前の思考を認識できずに、お前が一方的に読んでいると錯覚した訳だな?
「その通りだよ」
イザナミは二つに問いに答えて、俺に微笑みかけた。どうにもこの辺りの事は察してくれる所は非常に有難い。
「精度は距離によって変わるんだ、1km以内なら問題無く読めて、それ以上は離れるにつれてボヤけてくる。そして、この距離なら……」
そう言ってイザナミは席を立ち、俺の手を握った。
「マキナも読めるようになる」





マキナも読めるようになる





…………一瞬、あらゆる思考がブラックアウトし、イザナミの言葉だけが頭を埋め尽くした。
それは何というか最悪の気分で、一瞬とは言え完全に自分が無になりイザナミに乗っ取られるような……なんというか死とはあんな感じじゃないだろうか?
とてもじゃないが自分からやりたい行動じゃないな。
「ま、マキナさん!?顔色が悪いですけど、大丈夫ですか!?顔が真っ白……なのはいつも通りですけど、いつも以上に血の気がない白ですよ!?」
「……ああ。大丈夫……悪い、大丈夫じゃない。水か何か貰えるか?」
カノンはコップに水を入れて、俺に渡してくれた。それを一気に飲み干して気付け代わりにする事で、なんとか思考をまともな状態に立ち直らせる。
「それにしてもイザナミ……お前、よくこんなの好き好んでやれるな?」
一瞬だけでこん
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