第1章 闇艦娘の提督
第01話
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に、いきなり響の目の前に現れた黒い艦娘。
もともとそこにいたのか?
それとも本当に瞬間移動してきたのか?
どちらにせよ、無気配な黒い艦娘は目を離すとすぐに姿を見失ってしまう。
「すみ……ません……」
うまく声が出せない。
身体だけでなく、口もぎこちなくしか動かない。
目も、耳も、鼻も、響は全身がいうことをきかなくなっている。
そんな響の状況を知ってか知らないでか、黒い艦娘はすたすたと歩いていってしまう。
何も身につけず、全身が液体でびしょ濡れになっている響は、歯を食い縛って必死に黒い艦娘についていく。
研究所のような部屋を出ると、廊下もひどく薄暗く、まるで闇の中にいるかのような錯覚を覚えた。
まるで光を嫌っているかのような闇ばかりの空間。
響はひどく不安な気持ちにさいなまれる。
「あの……ここはいったい、どこなのでしょうか?」
黒い艦娘の背を追いかけている響は、黒い艦娘に質問をする。
「………………」
答えは返ってこなかった。
黒い艦娘は振り返ろうともせず、まるで何も聞こえていないかのようにすたすたと歩き続ける。
「なんだろう……すごく不安な気持ちにさせられる……なんだか怖いよ……」
不安を胸に抱く響は、必死になって黒い艦娘の後を追っている。
響はよろよろと蛇行しながらも、無理やりに身を動かして黒い艦娘についていく。
「ここよ」
黒い艦娘は突然止まり、後ろにいる響に言い放った。
いきなり黒い艦娘が動きを止めたので、響は危うく黒い艦娘の背に激突するところであった。
響はよろめきながら、“提督室”と書かれた札が掲げられている扉の前に立った。
「入りなさい」
黒い艦娘に促され、響は扉をノックした。
「そんなことをしても中には聞こえないわ。例えこの扉を砲撃したとしても、中には絶対に聞こえない。そのようにできているの」
黒い艦娘はおもむろに扉を開けた。
「んああぅうぅぅあぁぁんッ! て、提督ぅッ! すごいぃッ! すごいわぁッ! すごいよぉぉッ! ひああぁぁぁぅッ! すごすぎるよぉぉぉッ!」
扉を開けた途端、部屋の中から淫猥な叫び声が飛び出してきた。
黒い艦娘は部屋の中へと入っていく。
響は戸惑いながらも、黒い艦娘のあとについていく。
「提督ぅッ! 奥ッ! 奥がぁッ! 一番奥が叩かれちゃってるぅッ! 一番奥、すごすぎだよぉッ!」
部屋の中に入って、響は目を疑った。
艦娘が男に馬乗りになって、揺さん揺さんと上下に身を振り動かしている。
艦娘は長良型二番艦軽巡洋艦、五十鈴である。
真っ白な軍帽を目深に被っている男は腰を振り上げ、馬乗りになっている艦娘を下から突き上げている。
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