暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第4話『何もかもが例外の少年「……別に、怒ってるわけじゃないのに」』
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ニコっと微笑んでくる。
「……え?」
計佑がケータイを確認すると「メールを送信しました」の表示があった。
「せっかく教えたんだからおやすみメールくらいしてね!!」
少女が、べっと舌をだしてみせると。
そのまま身を翻して、後は振り返ることなく走り去っていく。
「……へ?」
そんな雪姫の笑顔にまたドキドキしてしまった計佑は、しばらくの間、ぽけーっと棒立ちを続けてしまうのだった。

──ヤベー……

病院からの、一連の雪姫とのやり取り。
くるくると変わる彼女の振る舞いを思い出して、計佑は顔を赤くし続けた。

──なんか俺……調子悪ィな……ダメだ。何か頭まわんねーや。何でこんなにドキドキしてんだろ……わかんねー……

『苦手な相手』の筈の、そんな女の子のことで頭が一杯だった。
──本当に『苦手な "だけの" 人』なら、
その人の事を考えてドキドキしたり、心が一杯になったりする筈はないのだけれど──
少年は己のそんな矛盾にも気付かず、しばらくその場に佇んでいた。

─────────────────────────────────

──あー、ドキドキした……

初めてだった。
自分から、男の子に連絡先を教えるなんて。
内心ドキドキで、かなり勇気を振り絞っての行動だったのだけれど、ちゃんと一昨日みたいに、隠してふるまえただろうか。
もう恥ずかしくて、最後は振り返る事も出来ずに、ダッシュで逃げてしまったけれど。
一昨日から、本当にあのコとの関係は初めてづくしだ。今日は、一瞬だったけれど本音まで晒してしまった。

──でもホントに……それが『嬉しい』んだよね……

一昨日もそうだったけれど、彼と話した後は、何故か気分が浮かれる。
親友のカリナにだってさらけ出せなかった本音まで、彼になら明かせてしまった。

──私が自然体でいられる、ただ一人の男の子、かぁ……

雪姫もまた、この時には自覚はしていないのだった。今の自分の気持ちが何なのかを──


─────────────────────────────────


<第4話のあとがき>

3話に引き続き4話は雪姫の計佑への気持ちがある程度固まる大事な話!
特にこの4話は!!
という訳で、3話以上に雪姫の心理描写とか頑張ってみたつもりです。
(26話書き上げてみてからの追加コメント・うん……やっぱり、原作先輩の心情を妄想するという意味では、
この回が一番よく書けたかもしれないです。
『"ラブコメとしては" 結構よく書けたかな』って回はこの先何度かあるんですけど、
原作の心情を読み取ってみようって観点ではこの回が一番かもです)

前半の雪姫センパイはセリフがほぼないので、色んな妄想を膨らませ
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