暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第4話『何もかもが例外の少年「……別に、怒ってるわけじゃないのに」』
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またいつものようにニマっと笑いかけてきた。

──……けっ、結局またからかわれてただけかよ……

内心、かなりガックリきた。
本当にこの先輩には、知り合ってからというもの、いいようにされっぱなしだ。
数々の痴漢行為を見逃してもらっている事を考えたら、
これくらいで許してもらえるのなら安いものかもしれないけれど──
雪姫の振る舞いは計佑には目まぐるし過ぎて、『やっぱりこの先輩苦手かも……』などと、改めて思うのだった。

「ところでさ……その写真」
「あ」
雪姫が指したのは、計佑が病室から持ちだしてきた写真だった。
ずっと手でもて遊んでいた存在だったが、正直忘れてしまっていた。
「おじいちゃんの部屋で見てたやつだよね? 持ってきちゃったんだ……」
「あっあの、すいません……」
ようやく見つけた手がかりだと、思わず持ちだして来てしまったのだが……これでは泥棒じゃないか。
「ホントにすいません……ちゃんと返してきますから」
「……んーと、返すのだったら私がやっといてあげるよ。だけど……なんでその写真を? 部屋でも、随分熱心に見てたよね」
「あーっと……それはですね……」
どこから説明したものやら。そもそも、本当の事を全部話す訳にもいかない。
「その人がどうかしたの? 随分昔の写真みたいだけど」
「あーいえ、この人っていうか……どちらかというと裏のメモの『眠り病』というのをですね」
「『眠り病』? ……もしかして、誰かお身内の方とかが?」
「うーん……と」

──どう話したものかな……意外と長くなりそうだし。 ……いや、まくらの霊のことを隠して話す分には全然短くすむか?

「結構複雑な話なのかな? 長い話になるとか……って、あ!!」
雪姫が突然何かに気づいた様子で、大声を出した。
「えっ? どうかしました?」
「友達と約束してたの。時間は……よかった、まだ間に合いそう」
雪姫が計佑の手から写真を受け取る。
「この写真のコトは、私がおじいちゃんに聞いておいてあげる」
雪姫は写真をしまうと。
……その後、計佑の顔を見つめてしばし黙りこんで。
「……だからさっ、ちょっと貸してっ」
「えっ、なっ……何ですか!!?」
計佑のポケットを漁り、ケータイを取り出すと、何やら操作を始める雪姫。
「ちょっ、勝手に何をっ!?」
女性の手から乱暴に奪い返す訳にもいかず、計佑は抗議の声をあげるしかない。
「はい返す!」

──?? ……なんなんだ?

ケータイはすぐに返してもらう事は出来たが、一体何をしたのかとケータイを確認しようとすると──
雪姫のバッグから着メロが流れ始めた。
雪姫に視線を戻すと、少女はケータイを取り出して計佑に画面を見せた。
「それっ、私の番号とメアド
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