第四話 星との遭遇
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すぐに分かる。
「えっと、ここだよね。」
「ああ。間違って殺しても俺の名前は出すなよ?」
「誰も殺さないよ!」
プンプンと音がなりそうなくらい怒りながら教室の中を覗いてみる。そこには、昼休みにも関わらず男子生徒の大多数が一つの席に群がっていた。
「なにあれ……」
小鷹は思わず呟いた。それもそうだ。その光景はまるで(例えは悪いが) 地面に落ちた菓子に群がる蟻のようだった。
「えっと、あれもしかして…」
「そうだよ。あれが柏崎さんだよ。」
最悪だ。小鷹は頭を抱えた。まさかアレに突っ込んで柏崎星奈に話しかけないといけないとは…
「どうしよう…」
「ああ?普通に話しかければいいだけだろうが?」
「それができたら苦労しないよ??」
小鷹は頭を抱え、悶える。それを見かねた夜空は、仕方ないとばかりに頭をガシガシとかきながら少し大きめの、ギリギリ男子が群がっているあたりに届きそうな声で言った。
「おいおいどうした小鷹!あの柏崎星奈に用があるんじゃねえの?」
それとほぼ同時に男子生徒の視線が小鷹と夜空に集まった。
「ひっ…!」
小鷹は一瞬悲鳴をあげ夜空を睨む。だが当の本人は知らん顔だ。結局、彼女は腹を括って教室に入った。事情を知らない人から見たら、不良転校生が柏崎星奈にケンカを売りに来たと見えるだろう。
「えっと、転校生の羽瀬川小鷹です…柏崎さんはいますか?」
小鷹がビビりながらも言いきった。内心では全力で逃げ出したいくらいだ。
「貴様??星奈様にはしっかりと“様”をつけろ!この中古女が!」
男子から浴びせられるそれに小鷹はさらに萎縮した。いつもなら少し睨みつければいいのだが、生憎と今回はそうもいかなかった。
ー様?さんじゃなくて様?一段飛びすぎない?
「なんだ?貴様みたいな中古女が星奈様に何のようだ?」
さっきから中古と蔑まれてる小鷹だが、それについては意味がわからなかった。
後日わかったことだが、この中古女とは小鷹のくすんだ金髪に原因があったらしい…
「やめなさい。下僕43号。邪魔よ。」
その声と共に男子は黙り代わりに人垣の中から一人の女性が出てきた。
背は小鷹より少し高く、髪は綺麗な金髪。小鷹のようにくすんだ色ではなく、とても綺麗な金髪。スタイルは……言うまでもなかろう。強いて言うなら小鷹が多大な敗北感を与えられるほどとだけ言っておく。
「それで?あんた私に何の用?」
どうやら彼女が、柏崎星奈のようだ。いや、そもそもこの群れの中心から出てきた時点でその人と言うことは確定なのだが…
ーさっきこの人男子のこと下僕って言ってたような…気のせいか?
小鷹はチラリとドアの影に隠れてる夜空を
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