暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第3話『病院での再会、「この人苦手だ……!!」』
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どころか、足元にまで散らばってる本もあったりした。

──ここまで来たんだ……鍵預けられたくらいなんだから、ちょっとくらい見せてもらっても罰は当たらないだろ……

そう自己弁護すると、部屋の中に足を踏み入れた。
とりあえず、目についた本をパラパラと開いてみる。
「……外国語……」
勿論、計佑には読めない。部屋をうろつき、いくつか適当に本やノートを開いてみたが全て同じ。げんなりする。

──無駄足か……まくらのとこに行く前に鍵、病院の人に渡してこないとな……

そう考え、踵を返そうとした時に、ふと絵本が目についた。

──『ねむりひめ』──

──なんで絵本なんかが……?

ふと医者のセリフを思い出した。

──『今の彼女の症状を一言で申しますと、お伽話に出てくる眠り姫みたいなもんです』

なんとなく興味にかられて、手にとって開いてみる。
──ハラリと落ちそうになった物があって、慌てて捕まえる。

──随分古い写真だな……昭和六年、美月芳夏……ね──

おかっぱの、綺麗な少女だった。しばらくぼんやりと見つめていたが、

──……と、いけね……何ぼうっとしてんだオレ……

我に返ると、写真を裏返してみた。
「えっ!?」
そこに記してあった走り書きが、計佑を驚かせた。
『仮名 "眠り病" 患者』

──"眠り病" !!? もしかしてこの人が前にいたっていうまくらと同じ──

はっとした瞬間、

<i>「手を上げろ」</i>
背中に『硬質な何か』が押し付けられた。

──えっっ……

訳もわからず硬直した計佑の背中に、更にグリっと『何か』が押しこまれる。
何がなんだかわからないが、とりあえず言われた通り両手をあげた。
「声をあげるなよ。──まだ死にたくないならな」
押し殺された女性の声だった。
「知ってしまったみたいね……どうやら……この部屋の秘密を」

──なっ……な何だコレ……っっ……

アクション映画などでのお決まりのセリフが投げかけられた。
下手な冗談に決まってると思いたかったが
医者の勘違いをいい事に部屋に入り込んで、資料を漁っていたのは事実。
女性の声に、冷徹な響きと押し殺された怒りが含まれている気がして──計佑の身体は震えだしていた。

「私はアメリカ政府から派遣されたエージェント。秘密に近づいた人間は消さなければならない……」

物騒な内容──物騒『すぎる』内容に、冷静さをなくした計佑はさらに震えを大きくした。
「ひっ……」
どうにか声を引っ張りだす。
「人を消す……って手品……?」
「冗談とは余裕だな」
女性の声の怒りが強くなった気がした。
「っっ……」
口を開いたことを後悔して
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