第三章 悪夢
第13話 炎の精霊
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来るの遅いですよ」
上条「悪かったって。またなんか奢ってやるからさ」
真那「本当ですか!?」
2人はこんな状況にもかかわらず何事もなかったかのように楽しげな会話をしている。
それは士道と狂三をさらに疑問に追い込むものだった。
狂三「楽しいお話中のところ悪いのですが……当麻さん、あなたは何者ですの?」
上条「俺か?俺はただの高校生だよ」
狂三「……その状態で言われても説得力はありませんことよ?」
上条「そうだろうな。……どうやら狂三はさっきの現象が気になるようだな」
狂三は上条の言葉に目を細めた。
さっきの現象とは、真那に銃弾が当たらなかった件だろう。
上条と真那は地上に降り立って、狂三を見据え、上条が口を開いた。
上条「特別に教えてやるよ。今のはただ単に真那の前に″幻想殺し″を展開させただけだよ。例えるなら真那と狂三の間に見えない壁を出した……と言えば分かるか?」
狂三「展開……ですって?」
狂三のいつもの笑みはとうの前に消えていた。今はその恐ろしい現実を受け止めるだけの気力さえ、なくなっている様な感覚に陥っている。
狂三「……それで?当麻さん、あなたは私を殺す気できましたの?」
上条「まさか。狂三を救うために決まってるだろ。でもお前の強さが想像以上だったから、この状態にさせてもらったよ」
狂三はこの時思った。
ーー私を救う?まだそんな寝言を言ってますの?ーー
そんな狂三を気にも留めず2人は話し始めた。
真那「そんなことしてたら、時間がきちまいますよ?」
上条「それまでに倒せばいい話だ。もちろん殺さないようにな」
真那「……で、倒した後はどーするつもりなんですか?」
上条「……どうしようか」
真那「……前にも言いましたけど、後先考えずに突っ走るのはどーかと思いますよ?」
上条「ゴメンゴメン……って何ため息してんだよ!?」
そんな中、完全に蚊帳の外にされた士道は、
士道「令音さん、俺はどうしたらいいですかね……」
と令音に話しかけるが、
令音『すまないシン、私にも何が起こっているのかよく分からくてね』
令音もこの状況にはお手上げのようだ。
上条の姿、先ほどの現象、そしてその上条と仲良く話す真那。
これを一発で理解できるものなどいないだろう。
と、そこで士道の後方から、バン!と扉を開け放つ音が響き、
十香「シドー!」
折紙「ーー士道」
士道の名を呼ぶ2つの声が屋上に現れた。
士道「十香……!?折紙……!?」
振り向き、名を呼んだ。
十香「大丈夫か、シドー!」
折紙「怪我は」
2人は同時にそういうと、一瞬睨み合ったが、その
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