第六話
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、出ても都市の上ではなく真横近くです』
クラリーベルは思考を巡らすように虚空を見る。
「アイシャさん。一番近い出口がどこだか分かりますか」
「角を二つ戻った所。けど、近くに人の姿もあった。それに機械の操作もある」
「ですよねぇ。それに中にも人は必要ですし」
「それ、私がやってもいいよ」
「それはどうも。ですが最後の手段で」
レイフォン置いてけぼりで会話が進んでいく。
「フェリ、私たちが通れそうな道ってありますか。無論正規の道でなく」
『通常の道はありません。ダクトなども途中で行き止まりになっています。そもそも外部からの侵攻を守るための場所です。臭いを感知されないためにも密封された空間ですので』
最もな話である。そうほいほい通れる道があったらシェルターの意味がない。
『ですが幾つか工具があれば可能かもしれません。少し調べましたが、空気循環用のダクトで十分な広さの場所が。幾つかボルトや溶接された箇所を壊せば出られそうです。案内しましょうか?』
「お願いします。工具は専門のものですよね。点検用にどこかに置いてあれば……」
「私が探してくる」
アイシャが走っていく。恐らくだが場所の予測がついているのだろう。
レイフォンは現状確認のためクラリーベルに聞く。
「外に出るってことでいいの?」
「ええ。結構まずいみたいなので私たちで汚染獣の迎撃をします。外までの道はフェリに案内して貰います」
「普通に出るわけには……」
「その場合、私たちの事情を話す必要があります。一般教養科の生徒を言われるまま出さないでしょう」
当然のように――敢えてぶっきらぼうにクラリーベルが言う。
「出てさえしまえば誤魔化せますが……ま、これを最後にツェルニを去るというのでしたらお好きにどうぞ」
仮に出口付近にいる彼らを気絶させたとして、出口の開閉は他の場所にいる人にも感知される。
気づかれる前に出られても締める人間も必要となる。
アイシャがそれを受けるといったがそうすれば今度はそちらに矛先が行くだろう。
変に正体が知られたとして、女王の命令を守るには他都市へ行くしかないだろう。
もしもの時には自分で判断していいと言われたが「もしもの時」が終わった後どうするかは別だ。
その時は知り合いがいるこの都市を捨てろとクラリーベルは言う。
「フェリに頼みたいことがあるのですが」
クラリーベルがフェリに頼み事をする。
「……僕からも一ついいですか」
思い出したことをレイフォンもフェリに伝える。
二つの頼み事をフェリは了承する。
「そういえばそれありましたね」
「うん。一応考えておいたほうがいいかなって」
少ししてアイシ
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