第一章 【Re:Start】
第五話
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話し合いで汚染獣が来た場合のことは決めてない。
戦うのは構わないがその場合、女王の命令が果たせなくなる可能性が高い。
レイフォンが問題を起こしてから都市を立つまでの間、グレンダンでは汚染獣の襲来が何度かあった。その際、謹慎の身だったレイフォンは一度も出撃をしていない。シェルターに入る気も起きずその度に身を隠していた。
同じでいいのか、あるいは違うのか。
クラリーベルの判断を仰ぎたかった。そのためにわざわざ遠回りし、アパート近くのシェルターへとレイフォンは向かっていた。
クラリーベルと会えるならそれで良し。会えぬならグレンダンでないことも踏まえシェルターに入る。
そう決めたレイフォンが記憶を頼りに角を曲がる。
と、こちらに向かって走る人が視界に入った。
周囲を見渡しながら走っていたその人はレイフォンを見つけると一直線に向かってくる。
「何故まだこんな所に。他の人の誘導は無かったのか」
その背後には一枚、念威の端子が付いている。
都市警の人間だ。
私服に付けられた所属を示すバッジが事態の慌ただしさを表していた。
「ええとその、動くのが遅れてしまって」
「曲がるのは一つ先だ。こっちだと遠回りになるからちゃんと覚えて……一年生か」
レイフォンの制服の刺繍の色を見て言葉を止め、少し考えるようにして端子に何かを言う。
「すぐ近くだ、案内する」
遠回りしかけていた身として断る理由もない。レイフォンは後についていく。
「配送のバイトでもしていたのか?」
「シフト中たったので遅れました。先輩? は都市警の人ですよね」
「ああ。着替える時間も無く走り回ってるよ」
シェルターの入口は本当に近くで、角を二つほど曲がれば直ぐに道の先にその姿が見えた。
ここまでで良いだろうと足を止めた相手にレイフォンは聞く。
「汚染獣について、今どんな状況か分かります?」
レイフォンからしてみれば当然の疑問からの問だったが、不思議なものを見る視線が向けられる。
「君、落ち着いてるな。……汚染獣は第六脚部を登攀中だよ。到達まで一時間を切った。ま、こんな時のためにいるんだ。何とかするさ。それじゃ」
去っていく相手に背を向けレイフォンはシェルターの入口に向かう。
シェルターは地下に作られている。だからそこに入るには専用の入口を通らなければならない。地面が割れ地下への下り道が顔を出すのが一般的だが、専用の建造物から昇降機やトンネルなどで下っていくことも出来る。
向かう先は後者だ。
地下への入口である建物付近には中に入らず都市警と何か言い争う不安そうな顔の生徒たちがいた。
そんな中、全く様子の違う二人組を見つけレイフォンはそちらに向かう。
背を向
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