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鋼殻のレギオス IFの物語
第一章 【Re:Start】
第五話
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なない可能性が高い。

 最も逆を言えば、捕食されるときは生きながらにして少しずつ食われるという事。
 それはきっと、最悪に近い死に方だろう。
 目の当たりにすれば恐怖が伝播する可能性が非常に高い。

 疲労はある。だが未だ動く分に支障はない。
 眼に映る限り、手の届く限りは助けたい。市街部には守らねばならない一般人の生徒たちがいる。
 武芸者としての「当然」を教えられたニーナは思う。

――私はあなたの為にいるんじゃない。お願いだから巻き込まないで

 そして脳裏を過るのは嘗て言われた言葉。
 ニーナは奥歯を噛み締め剄を燃やす。
 活剄で筋肉を収縮させ止血。再生能力も強化され簡易的だが皮膚が癒着し、頬の血が止まる。

(この程度で終わってしまえば結局、私は何も――)

 全身に回る剄を強め、未だ残る幼生体へニーナは足を向ける。
 そこへ別の区画で前線が突破された報告が入る。

 複数の幼生体がツェルニ市街部へと侵入。
 戦況は悪化を辿っていった。


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