日常の中の無限変幻
東方変形葉31話「語られる過去、真実」
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生まれていない、胎内の人間のなかに入り、その人間の性格などを尊重して、その人間が寝た頃に私は動き、体から出て世界が安定しているか見張っていました。
体の持ち主が死ねば出て、入り込むのに素質がありそうな人間の胎児の中に入り。それが転々と続いて、この前まで続いていました。
しかし、あるトラブルが起こったのです。あるとき、素質に恵まれた胎児がいました。これはいける、と中に入り込みました。すると、思いもしないことが起きたのです。
その人間の中にはある特殊な能力がありました。ありとあらゆるものを封じる能力。ありとあらゆるものを引き出す能力。その2つがその胎児の中にあった能力でした。
私は、その胎児の体に封じられてしまいました。そして、私の能力、変化を司る能力が引き出されてしまったのです。力自体は幾分にも分けられるので、私が変化を司る能力を維持できたことは不幸中の幸いでした。
私は、持ち主が死ぬ前に体内から出ないといけません。そのままでいると、私も道連れになり、消滅してしまうからです。この封じは強力で、私の力では絶対に変化できませんでした。
封じられてしまい、持ち主が寝ないと動けず、しかも動けても私はその体に縛られているので、絶対にその体から出ることはできませんでした。
寝ている間だけ世界を見張り、起きると自動的に体に戻される。
このままでは、この少年、葉川裕海とともに一生を終えなければなりませんでした。
なので、力を使い、少年の穢れを消した。しかし、不老だとその時代の人間に怪しまれてしまう。そこで、私はあることを思い出しました。
幻想郷と呼ばれる、全てを受け入れる楽園があると。なので、そこの楽園の管理人の意識を変化させ、この少年が人間界にとって危険分子であると考えを誘い、少年を幻想郷に受け入れられるようにしました。
『・・・ということなのだ。だから私が内部からこの人間の回復を促している。』
「・・・じゃあ、この子の両親が亡くなったいうのは?」
紫が真剣な顔で質問した。
『ああ、正直こういうことはしたくなかったが、この少年の両親を死に誘ったのだ。記憶を消失して記憶を植え替えてしまっては、後々面倒なことが起きてもっと死人が出てしまうから、犠牲は最小限にしたのだ。あとは、消失の変化でこの少年の記録などもろもろを消した。』
「・・・そう。」
「ちょっとまって、あなたが神だというのなら、信仰心はいったいどうやって集めているのよ。あれだけの神力、並大抵の信仰では集まらないわ。」
諏訪子が質問した。
『そもそも、信仰心がなければ消えてしまうという法則を作ったのも私だ。私には適応されないようになっている。』
そうなの、と静かに椅子に座りなおした。
『そろそろこの少年の意識が戻るであろう。もしこのことを話していたことをこの少年が知らな
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