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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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キーンコーンカーンコーン……午前最後の授業の終了チャイムが鳴った。

「あー……ハラ減ったー……」
「おっ? 今日はどうしたんだよ計佑?」
計佑へと話しかけてきたのは、友人の茂武市だった。
「まくらのやつがよー……自転車学校に置いてあるから今朝は乗せてけって。おかげで余計にカロリー消費しちまったんだよ今日は」
「はっはー、いつも通り仲のいいこったなーお前らは」
「どこがだよ……ただのケンカ兄妹でしかねーだろ」
「しかしまー羨ましいわ……あんなカワイイ幼馴染と家族同然の付き合い・・・このリア充がっ」
「あ? カワイイ幼馴染って……まくらのことか? お前本気か??」
顔をしかめる計佑に、はーっと、これみよがしにため息を付いてみせる茂武市。
「よく言うよなー計佑……あのな、狙ってるヤツ多いんだぞ彼女のコト?」
「ええぇ?」
「一年生にして女子ソフト部のエース! 彼女がいれば
万年一回戦のウチでも県大会も夢じゃないと言われる逸材!
天真爛漫100パーセントの健康美少女! 名前にちなんで『眠り姫』と呼ばれて──」
「あーもーわかったわかった。腹減ってるから、もーまくらのうんちくはいいからとにかくメシ食わせてくれよ」
しかし、計佑の希望はまだ叶えられることはなかった。
「目覚くーん、今日の理科当番はお昼休みの間にコレを理科準備室に運んでおく様に、って」
「あ、委員長……って、うわ、こんなでかいもん一人で運べってか?」
クラス委員長・須々野硝子の指すダンボール箱は、1メートル四方はありそうな大きさだった。
「おい茂武──」
「おーっとオレ今日はパンだったんだ売り切れちまうー、んじゃな計佑ー」
茂武市が、金属のスライムのような逃げ足を披露してみせた。
「あんにゃろ……」
「あー、目覚くん……よかったら手伝うけど?」
遠慮がちに、メガネの少女が申し出る。
「んー……なんだ、箱はでかいけど中身は軽そうなもんばっかだな。一人で大丈夫だよ委員長」
「……あ……そう? うんそれじゃ……」
残念そうな声を出しながら、すごすごと少女がひき下がる。
見る者が見れば一発でわかりそうな言動だったりするのだが、この少年はさっぱり気づかない。
「先にメシ食いたいとこだけど・・・しょーがねーか、仕事は先に片づけちまおう」

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「くっ・・・重くはねーけど、ここまでデカイとやっぱ厳しかったか・・・前が見えないってのはどうにもな」
えっちらおっちら、ようやく準備室までたどり着き、
「よいっしょ・・・」
軽く蹴りつけるようにしてドアに足をかけ、その足で開く。
「失礼しまーす・・・」

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