暁 〜小説投稿サイト〜
起源の主張
第一章
[2/2]

[9] 最初 [2]次話
のだろうか」
 あまりにも起源を主張されてこう思うようになったのである。しかも火山国が起源を主張する相手は彼等森山国に対してだけではなかったのだ。
 火山国の隣にある古来からの大国である川山国がある。幾つもの大河を持つこの国は火山国との交流が長い。今度はこの国のものも起源だと言い出したのである。
「あの国の文字はそもそも我が国が起源であり」
「かつて彼等の国は我々が治めていた関係で」
「そんな筈がない」
「そんな過去はなかった」
 今度はその川山国から反論が返って来た。
「我が国のあの文字は長い歴史を経て骨に書かれた文字や動物の形をした文字が形を変えて今の形になっていったものである」
「我が国が紀元前に統一された時にまとめられたものだ」
 ここで歴史を出すのが川山国の人達であった。
「それで何故火山国に起源があるというのか」
「全く出鱈目な主張だ」
「しかもだ」
 彼等の反論は続く。
「我が国の四千年の歴史の中で火山国の民族が入って来たことは一度もない」
「それは歴史書にはっきりと書かれている」
 彼等は歴史を出して反論する。しかしここでも火山国の人達はその反論を聞くことなくさらにはこんなことまで言い出したのである。

[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ