第十九話 幼馴染
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「お見事でしたぞ、ミレイ殿」
マーリンが私を褒め称えた。あれだけの猛威を振るっていた溶岩原人は私が新たに習得したヒャダインの一発で凍てつき、アベルたちの猛攻をくらい砕け散った。
「さて、次は水のリングかな」
私は炎のリングをつかみ、そう言った。(ちなみに火傷はベホイミで治してあるため心配無用だ。)
「リレミト」
リレミトで私たちは火山から脱出。そしてルーラでサラボナまで戻った。
*
「ふ〜ん。ま、よくがんばった方じゃないの」
私はルドマンさんの屋敷についたあと、デボラの部屋に行き火山で起きたことを話した。(具体的には溶岩原人に苦戦したこととか私が新しい魔法を覚えたこととか。)んで、そのことに対するデボラのコメントがこの上から目線な台詞である。ま、そこがデボラらしくてまた良いんだけど。
「確か水のリングは川を北上したところにある滝の洞窟ってところにあるけど、あんたたち船持ってんの?」
「いや、持ってないです」
「でしょうね」
「どうやって行けばいいんだろ」
「泳いだら?サッパリするわよ」
「デボラ〜?」
「何よ冗談なのにムキになって。どうせ、パパがなんとかしてくれるわよ」
「だろうね」
あのルドマンさんがお気に入りであるアベルの助けにならないはずがない。きっと船でも貸してくれるんだろう。
「けど、あんたも大変よね。私より5も年下なのに魔物と戦ったりとか危険な場所を探検したりとか。いやにならない?旅しているのって」
「旅がいやなら私は最初っから旅をしたりしないよ」
「それもそうね」
そんな風に適当なことを言いつつ私は部屋から出ようとする。
「あ、言い忘れてたことがあったわ。あの川には水門があるから鍵がないと入れないわ。水門の管理は山奥の村の人たちがやっているから山奥の村に行かなきゃいけないわよ」
「ありがと、デボラ」
私はデボラに感謝しながら部屋をでた。
*
予想通りルドマンさんは船を貸してくれた。しかも、とても大きい。(すごく……大きいですといってしまうくらい大きな船だった。)
そんな立派な船に乗り、私たちは山奥の村を目指す。
「アベル、山奥の村には温泉があるんだって。私入るのすごい楽しみなんだけど」
「そうなんだ」
「そうなんだって楽しみじゃないの?」
「……僕は奴隷として10年間過ごしてきたから温泉とか知識でくらいしかわからないんだ」
「……ごめん。やなこと思い出させちゃったね」
「別に良いよ。ミレイのせいじゃない」
「ん!水門が見えてきた」
私たちの前方には水門があった。
「とりあえずここら辺りに船を停めよう」
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