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無欠の刃
アカデミー編
女の子
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事実を突きつけられ、彼女は一種のパニック状態に陥っていた。いつもだったら忘れられる事実も、目を背けることが出来る現実も、何もかも直視されてしまう今の彼女は、いつもよりも危うい精神性を孕んでいた。
 だから彼女は、激情のままに言葉を出した。

 「私が男、だったら、兄である私に、九尾を封じた! 私が女だから!! 女だから!!」

 女だったから、九尾を封じなかった?
 今まで知らされていなかったことを知って、困惑したネジを見ながらも、カトナは止まらない。
 感情を暴走させて、いつもなら触れなかったはずの気持ちを暴走させ、そして秘めていた秘密を投げ出す。

「ナルトの腕がなくなったのも、ぜんぶ、ぜんぶ、わたしが…、わたしが…」

 がくがくと震えだした彼女が頭を抱える。
 わたしが、おんなだったから。
 決して声には出さず、それでも震える唇が紡いだ言葉を読んだネジが、思わず手を伸ばす。
 あまりにも弱弱しい姿をした彼女を支えようとした彼の手は、しかし届かない。
 触れるはずだった白い肌は瞬く間に遠のいて、代わりのように、視界の端に黒髪が映り込む。

 「カトナ、それ以上は駄目だ」

 無造作に、誰に当てるでもなく振り回されていたカトナの手が掴まれる。
 びくりと怯えたカトナが、くしゃりと顔を歪めた後、その場にへたり込む。
 あまりにも脆く弱い、見慣れないその姿に、ネジがもう一度何らかの言葉を告げようとした時、黒髪の少年――うちはサスケがネジを睨み付けた。
 その目は髪の毛と同じ黒ではなく、血のような真っ赤に染まっていた。
 写輪眼と驚愕するネジの前で、サスケはカトナの髪の毛を撫でる。
 カトナが甘えるようにサスケの手に頭を預けた。
 サスケの写輪眼の中で勾玉が躍る。

「さっきのは全部忘れろ」
「貴様に命令される筋合いはないが」

 はっ、とあざ笑うように声を漏らしたサスケが、更に何らかの言葉を紡ごうとしたが、それを制するようにカトナに服を掴まれた。
 黙り込むサスケの前で、カトナはもう片方の手で自分の口を抑え込んでいたが、うぇっ、という小さな嗚咽と共にその場で嘔吐する。
 気持ち悪い、気持ち悪い。吐き気がこみ上げて、堪らないのだ。
 また、何かがどろりとこぼれた感触がした。
 男なら感じる筈のないその感触が、もうたえきれないのだ。
 ぼろりと、涙がこぼれた。
 サスケが慌ててカトナの手を掴み、目に目を合わせる。

「カトナ!!」
「…ごめ」
「謝んな。それより大丈夫か?」

 無言でうなずいたカトナに安心しながら、サスケは吐瀉物に全く気にすることなくカトナに触れると、近くの教室にあったらしい雑巾を勝手に拝借してくる。
 カトナはそのサスケの様子を黙って見つつ、視界の端に映るネ
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