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一歩ずつ
3部分:第三章
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いうのである。
「日本のね」
「そうなの。日本のね」
「それでも。何でここに」
「ここに住ませてもらうことになったのよ。下宿よ」
「そんなこと聞いてないわ」
 これは当然と言えば当然だった。暫く入院していて退院した今は引き篭もっているのだ。それで何かを知ることなぞできる筈もなかった。
「全く」
「それでね」
 扉の向こうのレイラニは雪に構わず言ってきた。

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