派遣社員になった訳だが……どうしよう
19話
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自由に変化させることは可能だが、攻撃は基本的に人間の思考が追いつく範囲でしかできない。
簡単に言ってしまえば、百足のように無数の脚を生やしても思考は人間のままなので全ての脚を動かすということが出来ない、というように認識の限界とでも言うような具合にあくまでも人間が処理し切れるような動きしかできないのだ。
だが、あの女は数千本以上の腕を一本も絡まらせる事なく、別々の動きを行うということを苦もなくやってのけている。
確かに世に言う天才とでも言うような人間ならば、複数の物事を同時に考えられるような奴もいるだろう。しかし、数千もの物事を同時に思考できる人間など存在しない。
それを平気でやっているあの女はそもそも人間ではない可能性が高い。
となると、元々アラガミだった存在が変異してああなったというのか?あそこまでの知能をもって?
それに俺の思考を読んだあの能力といいあの女は一体……?
「マキナさん!!聞いてますか!?」
ん?ああ、カノンか。
「どうしたんだ?急に耳元で怒鳴って、何かあったのか?」
「何かあったのか、じゃありません。今日は一緒に任務に出てくれる約束ですよ」
ああ、そうだったな。
日本に帰ってきた俺はサカキの直轄部隊、第八部隊隊長という肩書きを与えられて、極東支部に組み込まれている。部隊と言っても俺一人なのだから実質はただの隠れ蓑に過ぎないんだが、今は一時的に第八部隊の一員という形でカノンは経験を積んでいるわけだ。
カナメがサカキの部下に近い立ち位置ということもあり、サカキがこうなるように取り計らったらしく、それについては別段なんの不満もない。
下手に他の部隊に行って、口を滑らせれ俺の事を暴露でもされると非常に困る。
その点に関しては問題ないんだが、はっきり言わせてもらおう……原作崩壊が僅かに起きている。
ゲームでは誤射姫の愛称で呼ばれていた台場カノンだが……確かに誤射はする、普通の奴の倍はする。
だが、そんなことより何というか……グロい事になっているのだ。正直、カノンは赤ん坊の頃から見ていたこともあって親のような立場で見ているのだが、そんな彼女がスプラッター映画も真っ青な行動をしているというのは、中々見ていて悲しい気分だ。
「どうしたんですか?」
「いや……世の中ってままならないなぁってな。さて、とっとと終わらせて帰るぞ」
「あ、待ってくださいよ、マキナさん」
「……下手に外にいるとあいつに見つかりかねん」
「え?何かいいました?」
「何でもない」
何でこんな四六時中あの女の事を警戒せにゃならんのだ…
「えっと……今日はコンゴウの討伐ですね」
「ああ、いつも通り自由に立ち回ってくれ。俺はあくまでお前のサポートという形でしか動かん」
「でも、危なくなったら助けてくれるんですよね?」
「ん?ああ、そりゃ当
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