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萌えろ!青春ポッキーズ!
ツンデレ2
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指示を出してから会話を続けた。
「か、傘持ってないよね。しかもその恰好じゃ外に出られない」
わざとらしく雑誌をめくる手が止まる。図星だったらしい。
「これ、使う?」
 俺はそっと折り畳み傘を差し出す。ポッキーちゃんは受け取っていいものかどうか迷っていたが、やがてそれをひったくるように受け取ると一礼してもうダッシュして去っていった
――あれ、ビックリされた?
 俺は頷いて立ち上がると「棚の整理終わりました!」と少しわざとらしいくらいの大声で店長に報告した。
「つか、そろそろ午後のシフトじゃないスか?」
「あ、本当だ。じゃあ、お疲れ様」
うス、と返事をして着替えていたときに午後のシフトで先輩が入ってきた。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
 俺と入れ違いで入ってきたの、先輩だったのか。見ていなかった。
この後、自分で買っておいた昼食に舌鼓をうち、俺はコンビニを後にした。
 バイト先で購入した傘だが、強風になすすべもなくぶっ壊れた。
雨に打たれたせいか、家の前にたどり着いたときには俺の頭は冷え切っていた。おかげで帰宅してからは自分のベッドにダイブして――――
「俺のバカああああ!」
ゴロンゴロンとのたうちながら大反省会を開催するはめになった……一人で。
 ビックリされた?じゃねえわ!
完っ全にドン引きされたわ!変な男だって、思うに決まってんじゃん!
毎週顔合わせているとはいえ、急に傘差し出されたら驚くよ、そりゃあ!
だいたい顔も覚えられてるか分かんないもん!
ていうかどうして自分の傘を差し出したんだよ、買ったやつあげればよかったのに―――
「うああああ……」
 夏だから、頭からかぶる布団がない。
しかたなく、布団の上で丸くなる。俺はこのまま布団と一体化したい気分になった。
でもこの季節、一体化したら暑くて気持ち悪いのかなと半ば現実逃避気味に思考を巡らせる。
「――最悪じゃん、俺」
枕に顔をうずめて呟いてみたり。自分の息が跳ね返ってきて、暑苦しいことこのうえないので十秒ともたずに顔を上げてしまうけれど。
 こうして反省会を終えた俺は、携帯を取り出して、二人の男子を思い浮かべていた。
悪友と呼ぶにふさわしい友人たち。しかし、込み入った相談はこいつらにしかできない。
別に俺がぼっちというわけじゃない。こういう相談は女子と違ってどこから情報が漏れるか分かったもんじゃないから相談できる相手が限られるんだ。
――さて、恋愛相談をするのにふさわしいのはどちらか。
一、この間のイケメン。
二、この間の天然。
これだけで比べるなら、確実に前者の方がいいだろう。しかし、そいつにはつけたすべき重要なことがある。
「俺にたいしてのデリカシーが0」これは、かなり重要だ。
俺が恋愛相談なんてしようものなら、帰ってくる答えな
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