第十八話 決別
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
三位一体の炎が私たちを焼いた。
『デボラ。ごめん私ここで死ぬかも』
溶岩原人の炎で私は戦えなくなっていた。アベルたちが回復しようにも溶岩原人がそれを阻む。
『けど、デボラが消えちゃうよりはいいでしょ。お願いデボラ。私が死んでも悲しまないで』
『影響』がなんであるかわからないし、消すにもどうすればいいのかわからない。
だが、私のしたことが何かの弾みで『影響』を消すことになったら。
それを思うと怖かった。だったらこの世界で死んでしまってもかまわない。けど、
『生きたい』
そして私は気づいた。結局のところ私は『影響』を消したせいで自分の心のよりどころを失うことが怖かったのだ。折角死ぬまでにやればいいという猶予が与えられているにも関わらず、私は怯え、『影響は消すがデボラはこの世界に残す』ということが思いつかなかった。
私だって子供じゃない。そんな都合のいいことが起こるわけがない。
けど、そんな都合のいいことを起こすためにがんばったっていいじゃないか。だから、まずは。
『この戦いを終わらせなきゃ』
私は痛みで思い通りにならない体に鞭打ち、立ち上がる。
そのとき、私の心にある呪文が浮かび上がった。それが、どのような呪文であるかはどうでもいい。
私はそれがこの戦いを終わらすことを願って、ただ唱える。
「ヒャダイン」
冷気が溶岩原人に集約、そして氷柱が溶岩原人を貫いた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ