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アラガミになった訳だが……どうしよう
派遣社員になった訳だが……どうしよう
18話
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なのかは知らないが、今はアーク計画を優先して欲しいのだがね」
「調子に乗るなよ人間。私がお前と会話しているのも、指示を聞いているのも、全て彼の為だ。次に彼を蔑ろにする事を言ってみろ、今すぐノヴァを切り刻んでから人類を絶滅させるぞ」
「……すまない。だが、アーク計画は君にとっても必要だという話ではなかったのかな?」
その言葉を聞いた瞬間、端末の電源を切った。
本当にこの人間は気に食わない。
人間にしては頭は回る、判断力も人間にしてはあると言えるけれど、その姿勢は完全に思考放棄の上での逃亡でしかない。
目の前の脅威に対して絶望しかしていない人間だ。こんな物が支部長に据えられ、権力を振るえるような組織が人間を統べているのだから、やはりそんな種族は滅びるべきだ。
そして、何よりあの人間が気に入らないのは愛する者を蔑ろにしているという点だ!!
愛する者を生贄にしなければ他の者を救えないというならば、他の者を皆殺しにでもすればいい。
他者を救うために愛する者を蔑ろにしなければいいというのならば、他の者を見捨てればいい。
「……あいつからか?」
「不本意だけど、そうだよ」
この少年は嫌いじゃない。
不条理に抗うことを知っている上に、親から蔑ろにされながらも心の奥底に優しさを失っていない。
彼が私達と同じだったら生かしてあげても良かったんだけど、半分はアラガミで半分は人間の中途半端な混ざりかただからね。
まぁ、夢が叶うまでは優しくしてあげるよ。
「君も大変だね、あんなのが父親だなんて。君の名前をつけたのは母親だろうけど……その名前とは真逆の扱いだもん」
「あんたには関係ないだろ。それに、あいつを父親だなんて思ったことはない」
「そっか……じゃあ、私はこれから別の用事があるから、しばらくお別れだね」
はぁ……本当にこの子が私達と同じじゃない事が残念だよ。
「……じゃあな」
「じゃあね、ソーマ」
出来れば早く見付けたいな。
彼女を早く見付けて、彼のお手伝いをしないとね。アーク計画は原作通りに進めて、最後はシオの意識を私の能力で殺せば私の理想は実現する。
さぁ、シオは何処かな?
私達と同じ存在だから目一杯愛して、そして最後に殺してあげるよ。










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