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SAO−銀ノ月−
第六十七話
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幻影』の片手剣を避けつつも、その片手剣使いの真上に位置した。

「斬撃術《弓張月》!」

 空中から急降下しての落下する勢いを加味しての斬撃術。片手剣使いの頭から足まで唐竹割りをしつつ、洞窟特有のゴツゴツとした大地にしっかりと着地すると、俺の肩や足が攻撃されそうになっていることを視た。その場に止まらずにゴロゴロと横に転がって、追撃しようとしていた『幻影』たちにクナイを牽制に投げはなった。

 こうしていると嫌でも思いだす。《奴》――PoHに一度殺されてから使えるようになり、今も尚俺の生命線にもなっている《恐怖の予測線》と名付けた直感。視界がクリアになって相手の攻撃の軌道を視る――と、そう聞くと何かオカルト的なモノに聞こえるが、現代スポーツにも極限まで集中した結果として、そのような状況は珍しくない。そして古来より、古流武術における一種の目標ともされる……

 VRMMOという情報によって構成される空間と、古来より伝わる修練の結果によって顕れるその予測線は、『幻影』たちの攻撃程度ならば簡単に見極めることが出来た。さらにはその軌道によって、武器種を推測することも可能だ。

 ……しかして問題は二つ。予測線を維持できる時間制限がある以上、この勝負は短期決戦を狙わなくてはならない。だが、俺単独の火力では、時間内であれだけの数の敵プレイヤーを倒すことは難しいことだ。決定打となる火力を持つリズがいれば解消出来るが……横目でチラリと橋を見ると、盾持ちの『幻影』が若干名二人の足止めに向かっていて、こちらへの合流は難しいか。

「ヒャッ!」

 そうこう考えているだけでは、後続の『幻影』たちも到着してしまう。その前に先行してきた『幻影』を倒すさなければ。……まずは先の斬撃術《弓張月》の仕返しのつもりか上空から襲って来た片手剣使いをバックステップで避けて墜落させ、追撃のかかと落としでさらに洞窟の大地に沈ませながら、片手剣使いの心臓部に日本刀《銀ノ月》を突き刺すと、赤いリメインライトを伴って消滅する。……サラマンダーだったらしい。

 仲間がやられた為か油断なく距離を取り始める、先行した軽装備だと思われる『幻影』たちを眺めながら、さてどうするか――と考えていた俺に、遠くからリズの声が響いて来た。

「ショウキ! スイッチ!」

「……スイッチ?」

 スイッチ……というとSAO時代に大変お世話になった戦闘法だが、はて、今この状況で俺とリズで使える戦術ではない。さては俺とレコンを言い間違えたか、とそんな状況ではないにもかかわらず、頭を捻る。

「スイッチって言ってんでしょうがぁ! 刀の!」

 盾を持っているらしい『亡霊』に向かって力の限り八つ当たり、もとい力の限り攻撃を加えながら、リズが再び声を張り上げた。その声で俺は日本刀《銀ノ
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