第四章
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衛隊にとっては問題外の話であった。
だが構成は。それをあえて言ったのだった。
「市場は。例えば海外の」
「御冗談ですよね」
最高に冷たい言葉だった。
「我々は海外には」
「ですよね、やっぱり」
自衛隊、いや日本は海外には兵器は売らない。売るのは他のものだ。またそっちの方が遥かに金になるのが現実だったりする。銃よりもラジオやテレビを買うものだ。誰もが。
「それにそもそも高過ぎて。あまりにも」
「売れないと」
「ですから実入りがないのです」
またこの言葉が出るのだった。
「我々としましては採算がないとやっていけませんので」
「企業だからですね」
「その通りです。ですから政策が変わらない限り」
「それしかないと」
「おわかり頂けたでしょうか」
これ以上どうやって反論するのか、と聞きたいまでの絶望的な話の後での止めの言葉だった。
「これで」
「はい、わかりました」
構成としてもこう答えるしかなかった。
「よく。ではそういうことで」
「こちらとしましても最大限の努力はしています」
この場合はあくまで軍需産業限定という意味だ。グループ全体ではしていないのがまた話を複雑なものにさせていた。そこまでは至っていないのだ。
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