第百七十九話 485年の捕虜交換
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んな事で何故フェザーンへ来るのかと怪しむ。
「しかし、その程度の輸送なら態々フェザーンまで来る必要が無いでしょう」
「そうですよ。帝国にも運送業者はいるでしょうし、捕虜なら軍が運べば良いのでは?」
「その点なのですが、ローエングラム星系はテレーゼ殿下の所領であり捕虜もテレーゼ殿下のお預かりなのです。その上、帝国では彼等は叛徒ですから“叛徒に物資を運ぶ様な人物が殆ど居ないのです。それに軽々しく軍を動かす訳にはいきませんから」
些か納得しないがある程度までは判った二人は頷く。
「其処で、ボリス商会とは先代の頃の繋がりが有りましたのでお願いに上がった次第です」
そう言われて、コーネフは以前引退した親父が帝国政府からの特命でDNA検査キットを売った事を思い出した。
「ああ、あの時の事か、覚えていますよ」
「良かった。其処でオーディンからローエングラムへの定期航路を御願いしたのです。無論正規料金以上のボーナスもおつけしますので」
小柄の美人に御願いされて上に借金で首が回らない状態のボリス達に断るという選択肢は無かったのである。その後支度金を受け取り、長期の仕事と言う事で引退した親父、お袋やクルーの家族も連れてローエングラム星系へ居を移し其処で大規模な輸送会社の雇われ社長として活躍させられる事と成った。
全てがテレーゼの手の上で行われた策謀の一環であった。
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