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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
25.神意の妹
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のだろう。
時刻を確認しようと立ち上がろうとすると部屋の扉が開き、誰かが入ってくる。
幼く見える顔立ちの少女が、目を大きく見開いて部屋の入り口で立ち竦む。
「さ、彩斗君!」
彩斗の名を呼んだ少女はこちらに飛びついてくる。
「あ、逢崎!? ちょ、ちょっと……!?」
友妃が彩斗の身体に抱きつく。柔らかな彼女の肌の感触が伝わってくる。
男としては嬉しい行動だが、今は彼女が抱きついて触れた部分の傷口に痛みが走る。
「いたっ!?」
「ご、ごめん……」
友妃は、慌てて彩斗から離れる。
「てか、なんで逢崎は、ナース服着てるんだ?」
入ってきたときから疑問に思っていたことをようやく口にする。
今の友妃が着ていたのは、看護師風ミニスカートのワンピースだった。最近ではめずらしいナースキャップまで被っており、足元は白いニーソックスだ。
「これは、古城君のお母さんが、研究室に入るならこれに着替えろっ言われて……へん……かな?」
正直、ものすごく似合っている。
先ほどまで着ていた着物のときもそうだったが、清楚な印象の服装が友妃はよく似合うようだ。
「まぁ……似合ってるんじゃないか」
目を逸らしながら言う。
これ以上彼女のナース姿を見ていると見惚れてしまいそうなので話題を変える。
「それで優麻の容態はどうなった?」
「やっぱり、自分よりも先に優麻ちゃんの心配をするんだね、彩斗君は」
半分呆れ、口調のまま友妃は微笑む。
「傷の手当ては終わって、命のは関わるようなことはないって」
「そうか……よかった」
彩斗は身体の緊張を解く。
だが、友妃は、きつく唇を噛んだまま首を振る。
「でも、これ以上の回復は望めないって」
つまり彩斗の治療はなんの意味も果たさなかったということになる。
「クッソ……」
「それでも、傷のほとんどは回復して、魔力もかなり回復してるからこれ以上の悪化もないって、深森さんは言ってたよ」
「そうか」
わずかに安堵の笑みをこぼす。
「雪菜たちが向こうの部屋にいると思うから詳しいことはそっちで話そ」
友妃はベッドの上にいる彩斗に手を伸ばす。少し、照れがあったがその手を掴んでベッドから立ち上がる。
リビングに行くと友妃と同じようにナース服を着た雪菜と古城と紗矢華がテレビに釘ずけとなっていた。
「嘘だろ、おい!?」
古城が頭を抱え、携帯電話に手を伸ばす。
状況が理解できない彩斗はその場に立ち竦むのだった。
メインストリートを派手な衣装をした人々が横切っていく。
ナイトパレードもどうやらクライマックスに差し掛かる直前らしい。
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