小学校の遠足の前日って、なぜが寝れないよね
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
中八九怖気付いているであろう桂の横を通り過ぎる途中に、からかいの意を込め嫌みたらしく言う。
「べ、別にビビってなんかないわよ!」
「へいへい」
気に障ったのか、止まっていた足を再度動かし始める。
「優太くん。先ほどの物言いから、粗方犯人については目星がついている、と受け取ってもいいのか?」
「そうだな。優太くんの物言いからそう感じられたぞ」
「犯人……ねぇ」
花菱、朝風の問いに言葉を濁す。
「なんだその言いぐさは。はっきりしないな」
「花菱よ。手掛かりはなにも映っていない防犯カメラの録画記録、それひとつしかないんだぞ?そんなのはっきりするわけないだろ」
「それはそうだが……」
「まあ、目星がついてるっちやついてるし、ついてないっちゃついてる。本当に粗方、だけどな。それに、犯人って、人じゃないかもしれないしな」
「人じゃないーーって、なにを言っているのだ君は」
「だから花菱にも言っただろ、朝風。おれも、粗方、って言っているだろ」
花菱と朝風はおれが、なにを言っているのかわからないといった様子。
「犯人が人じゃないって、なにをいっているのよあなたは。そんなことありえやしないじゃない。まさか、霊的な仕業、とでも言うわけじゃないでしょうね」
話を聞いていたのだろう、まあ意図して小声で話していたわけでもないし、この距離で聞こえないはずがない。馬鹿馬鹿しい、と人を小馬鹿にしながら桂が言う。
「そうだよ優太くん。幽霊なんているわけないじゃん♪」
「おいおい、それは言い過ぎじゃないか?別におれも幽霊だとは言わないけど、そんな端から端まで全部否定することなんて出来るのか?おまえの頭で」
「そこは優太くんに同意だな」
「だな」
「ひ、ひどいよぉ〜」
と、後ろからは賑やかな声が入り乱れる。
「本当に幽霊の仕業、なんて言うわけじゃないでしょうね」
そんな彼女の言葉を他所に、おれたちは白皇へ向かう。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ