派遣社員になった訳だが……どうしよう
16話
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玄関先に使わない家具は置いておいて、夜になってからゴミ捨て場に持って行こう。流石にこんなデカいクローゼットを一人で軽々担いでいるのを見られると、確実に怪しまれてしまうじゃないか。
それにしても、俺は基本的に外にばかりにいたのだが探してみると、以外と知らない内に汚れやらが溜まっていたらしく、想像以上に手間がかかるな。こういう時にアラガミの体とは便利だと感じるな、幾ら雑巾を絞っても手が痛まないんだからありがたい。
その最中にカナメから電話がかかって来た。
「マキナさん?今、大丈夫ですか?」
「ああ、別に構わんが、どうした?」
そう返事すると、カナメは少し不安そうな口調で質問してきた。
「あの、日本にはいつ頃戻られるんですか?」
ん?言っていなかったか………うん、よく考えてみれば言ってないな。
「今月中にはそっちに帰るつもりだが、どうしたんだ?フェンリルが何か言ってきたのか?」
「いえ、カノンが大人になったらゴッドイーターになると言って聞かないんですけど……どうしましょう?」
「なんでそれを俺に振るんだ?」
父と娘の語らいに部外者の俺の意見がいるんだ?
「カノンは貴方のことを兄のように慕ってるんですよ、おかげで私の意見そっちのけでマキナさんの許可を貰ったらなると、妻もマキナさんがいいと言ったら構わないと言ってるんです」
………あー、俺は完全に無罪だが言わせてもらおう。色々とすまん、今度美味い酒でも贈るから一緒に飲もう。
「俺が兄扱いって、俺の年を考えて欲しいな……カナメとそんなに変わらないだろ?」
「ええ、なんですけど。私も研究やらで最近帰れない日が多いんで、最近家庭での私の扱いが……」
「お前も色々と大変なんだな……で、カノンがゴッドイーターになるかだったな?俺は止めるつもりはないが、十八歳になってからという条件付きでの話だ」
今の時代、特に極東支部なんぞはゴッドイーター、フェンリル関係者、無職程度しか選択の自由がないんだゴッドイーターになるのはそれ程おかしな話ではない。ただし、もう少し分別のつくようになってからだ。
その適合率からカノンはフェンリルから強制されるだろうが、恐らくは彼女自身親に迷惑をかけないやら、人類を守る使命に憧れてなどの理由で志願しているんだろう。
これが俺のいた世界ならそれは十分理由だが、この世界でそんな理由では少々足りない。
ゴッドイーターは基本的に死ぬことを前提で考える職業だ、どれほどのベテランだろうが小型アラガミ程度の攻撃を頭部にくらえば即お陀仏するのが普通なんだ。
そんな職業に就いて生き残る為に必要なのは技術や経験よりも、その意思の硬さだ。何があっても生き残る、何があっても負けない、その意思が無ければ技術も経験もゴミ屑同然に成り下がる。
その意思、いや覚悟とでも言い換えるべき物は基本的
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