派遣社員になった訳だが……どうしよう
15話
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な事が起きるんだ?
サカキの時も関わらないようにカナメを代理人にして表に俺が出ないようにするつもりだったのに、強引に周波数を突き止められるという巫山戯た力技で関わることになった。
今回はこいつらと関わらない為に作戦の資料を受け取ろうとしたら、本人が資料を渡しに来るという意味不明な状況だ。
こんなものどうやって防げと言うんだよ。
「はぁ〜この家には一人で住んでるんですか?」
喧しい、お前は喋るな。
「………………」
………仕方ない、黙ったところで何か変わるわけでなし、普通に対応するしかないか。
「ほら、夕食、食ってないだろ?」
退屈しのぎに作った肉じゃがと味噌汁を鍋ごとテーブルに置いて、彼の分の食器を用意する。見たところ、どう見てもこいつら迷いっぱなしだったようだし、飯も食っていないだろう。
その予想は正しかったらしく、リンドウは喜びつつ、感謝の言葉と共に席に着いて食べはじめた。
冷静に考えれば、こいつが来るのは妥当と言えば妥当なのだろう。このアラガミだらけの雪原を比較的安全に行き来できる人間などゴッドイーター位だろうし、ましてや重要な作戦の詳細な情報を渡す役など、相当腕の立つゴッドイーターで無ければ務まらん。
「マキナ少尉は食べないんですか?」
「もう食った、それと敬語はやめてくてれ、呼び方もマキナでいい」
リンドウの敬語というのは、ゲーム中の彼を知っている俺としては何というか肌に合わない。それに俺が少尉などと階級付きで呼ばれるなどゾッとする。
「んじゃ、マキナ。あんた……なんでクマのキグルミなんか被ってんだ?」
「それについてはノーコメントだ」
リンドウは首を傾げながらも、俺に答える気は無いと察したらしく追求する事なく、再び目の前の食事を平らげる事に専念しはじめた。
強引に追求された場合、少々物理的手段を行使してでも話題を変えなければならないところだったな。
「お前はどう思う?」
「ん?何が?」
「この作戦に意味があると思うか?」
「そうだな……俺は意味があるとか無いとかは分からないが、俺はやれるだけのことをやって守れるだけ守るって位にしか考えてないな」
成る程、俺の知るリンドウらしいと言えばらしいな。彼の考えは生きるという方向に向いている、生きていればなんとかなるという考えだ。
こんな世界でその考えを持てるというのは凄い事だ、大抵の人間は明日に絶望しているが、彼は明日に希望をもって生きているのだから。
そんな事を考えているうちにリンドウは食事を終えたようだが……何か懐から取り出そうとしているが、一体なんだ?
「わりぃ煙草、持ってないか?」
………全面禁煙だ、と言いたいが特別だ。以前好奇心で吸ってみようと買った煙草だが、やはりと言うべきか当然と言うべきかこの体はそう言った類の有害物質を受け付けないらしく
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