派遣社員になった訳だが……どうしよう
13話
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匹消して有り余る威力、それが雨霰と降ってきたんだ。右足一歩で済んだのは間違いなく幸運だろうし、アラガミの体においては手足を失うということは大した問題ではない。損失箇所の分だけオラクル細胞が無くなるのは痛手だが、生きてさえいれば幾らでも治しようはある。
が、そんな事はどうでもいい。
とにかくこの場から離れなければ足だけではなく、全身消し飛ばされかねないんだ。治しようがあるなど気休めにもならない、今治せなければ俺の移動速度が下がる事には変わりないのだから!!
両腕をサリエルに変化させて宙を移動することで多少はマシだが、それでも走った方が速い事には変わりない。
しかも、どうやらキュウビの怒りは相当なものらしき、先程の閃光の第二射が放たれたらしく周囲がクレーターまみれになっている。こちらに一発来たが右腕を今現在俺の持てる最高硬度の盾である、全身鎧の蠍であるボルグ・カムランの盾に変化させて防ぐ。
結果として防げはしたもの、右腕は肘から先が無くなった。お陰で右半身マトモに使えなくなり、雪に埋れて立ち上がることもままならん状況になってしまった。
ウロヴォロスの時とは違い、こちらには反撃する手などどう足掻いてもない。そして、向こうは疲れどころかただ邪魔な物をどける程度気軽さでこれだけ被害を出したんだ。勝ち負け以前に戦いにすらなっていないし、逃走すらままならないというザマなのだ。
だが、それでも諦めるという選択肢だけは取らない、いや、取りたくない。死ぬことは仕方ないだろう、こんな世界だ命なんて簡単に消える。
でもな、"ただ"死ぬのだけは真っ平ゴメンだ、どんなに無様でも足掻けるだけ足掻いて結果として死なせて貰おう。
空も飛べず、大地を蹴って駆けることができなくても、地を這う事はできる。
左腕と左脚はまだ動く、生きたいという意思もある、それだけあれば何の問題もない。幸いというべきか埋まっているお陰で、キュウビからは見えていないらしく追撃はこないようだ。その間に地面を這いながらなんとか神機の破片が転がっていた場所まで逃げられた、幸い吹雪は止んだらしく時間こそかかったものの迷うこともなかった。
以前腕を潰された時とは違い、オラクル細胞の総量はかなり増えているので、消し飛んだ手足は簡単な戦闘に耐えられる程度まではアラガミを喰わずとも治せる。オラクル細胞の量は消えた手足の分が減っていることには変わりないのだが、その辺りは神機の破片を喰って多少はオラクル細胞は補充できるだろう。それにキュウビが暴れたせいで周辺のアラガミは何処かに逃げたようだし、体を修復する程度の時間はあるだろうしな。
それにしても、ここまでのダメージは本当に久し振りだ。三年、いや四年前にヴァジュラやウロヴォロス以来苦戦などなかったし、傷自体負うことが減っていたからな。だが、これは悪くない感覚だ、理不
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