派遣社員になった訳だが……どうしよう
10話
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に俺の自由を認めさせたからだ。この位するのは当然だ、理由なんてそんなもんだ」
加えて、可能な限り俺の関わった奴には幸せになって貰いたいからな。偽善かもしれんが、俺はやりたいようにやるだけだ。強いて言うなら趣味や道楽の類だ、誰かに文句を言われようが特にやめるつもりはないし、感謝してもらういわれもない。
その後、ロシアで一時的に住む為の住民票やら土地の権利書、身分証明書やらをサカキから受け取り、再び来た道を戻り不本意極まりないが吹雪の中を歩く羽目になった。寒さは感じないのだが、吹雪で視界が遮られ氷の混じった雪が体にへばり付き動きを妨げられるのはアラガミの体でも厄介で、方向感覚すら狂わされるのは我慢ならん。
サカキによって端末に記録された道筋通りに歩いているのだが、時々崖やら川にぶつかり転がり落ちたり、凍った川に知らずに乗りそのまま川の中に落ちたりした。記録をとってから時間が経ち、アラガミによって出来た崖や川だと信じたいが、サカキの事だ俺がアラガミの体ということで問題ないと考えてこのルートにしたという可能性も捨てきれない。
まぁ、とりあえず目的の街に辿り着けたから構わないんだが……川の中に落ちた時、何匹か凍って動けないオウガテイルが川の底にいたのを見て、この辺の気候に対応したアラガミを喰っておいて良かったと心の底から思った。できれば用意された家でシャワーでも浴びて凍ったヴァジュラのマントと髪をどうにかしたい、マントやらは芯まで凍っているわけではないが川に落ちた時に水を表面が吸って凍っているのだ。動きに支障はないが、流石に鬱陶しいので早いところ溶かそう。
さて、地図によるとこの辺りなのだが……おうふっ!?
な、なんだ後ろから膝に衝撃を受けたぞ、!?
こんなところにもアラガミがいるのか、いやアラガミが膝カックンとはどういうことだ?などと考えて倒れかけた体勢を立て直し後ろを振り返ると、見知らぬロシア人らしき家族がいた。どうやら子供が俺にぶつかったらしく、両親だろう二人が何か言いながら謝っているのだが………ロシア語など分かるわけないだろう。
とりあえず通じるかどうか分からんが、二度と使いたいくないと考えていた拙い英語でロシア語は理解できないと伝えると、驚いたような表情をされた。どうやら髪の色を弄るのを忘れていたらしく、白い髪と白い肌がロシア人の家族と同じような色だったので俺を同じロシア人だと考えたらしいが………顔付きが違うだろう?
それ以前にようやく歩けるようになった赤ん坊を街で歩かせるなと心の中で愚痴りながら、ロシア人の家族と別れ恐らく俺の家であろう家に入る。いや、久しぶりの天井や壁のある住処だ………家具やらはとりあえず一式揃っている、衣服もそれなりに揃っているな。よし、シャワーを浴びよう、いい加減髪鬱陶しいんだ。服を脱ぎ、備え付けてあった洗濯
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