アラガミになった訳だが……どうしよう
6話
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自分の知らぬうちに特大の地雷を踏んでしまったわけだが、ここから逃げ出す訳にはいかんな。
ここで放置すれば原作に登場すべきキャラクターが一人消えてしまう、そうなると一体どのような影響が出るか想像もつかないが少なくとも俺の知る話や、目指すべき結末と違う結果になることは目に見えている。
このまま放置するのが本来の流れで、この後も何かしらあって助かるのかもしれないが不安にも程があるぞ。
となるとやはりどうにかしてこの家族をもう一度安全なアナグラに放り込むしかない訳だが、十中八九普通に戻ったのではロクな事にはならんな。
さて、フェンリルから逃げ出したもっともらしい理由…娘が実験材料にされそうだったから、では当然却下されるな。
となると、フェンリルの利益となるような事を理由にしなければならない、例えばフェンリルが欲している物を手に入れる為とかだな。
2053年、神機開発まで約3年、恐らくアラガミの死体やら死に掛けの状態のアラガミからのオラクル細胞の採取や、それらの個体に残っていたであろう偶然食い残されたコア、良くて半壊状態のコアで実験しているのだろう。
そんなフェンリルが欲している物は単純な話アラガミのコアだろう、それも可能な限り原型を留めている物だ。
それはコンゴウやらの中型ではなくオウガテイルやらのような小型でも十分だろう、それを手に入れる為に支部から飛び出したという形にした上で、実際にそれを持って取引の材料とすれば一年程度の逃亡など容易く不問に出来るだろうし、寧ろ釣りが出るな。
さて、となると早いところこの一家の首を引っ掴んでとっとと来た道を引き返さねばならない。
「で、カナメ。お前、何年もここに居られるなんて思ってないだろ?耐アラガミ装甲もいずれは対応されて効果を果たさなくなるのは分かってるだろ?」
「はい…ですが、フェンリルの下にいるよりは幾分かマシですよ。それにある程度機材も持ち出しましたから、多少ならば装甲を改良することも出来ますから」
「はぁ…人、それを問題の先送りって言うんだよ。いいか、俺がお前ら家族を助けてやる、だから俺を信じろ」
「……何を言っているんですか?」
まぁ、そりゃそうなるだろうよ。いきなり、こんな事を言われたら誰だってそんな変人を見る目をするに決まっている。
「要するにお前らがアナグラから逃げ出した理由は娘が実験材料にされるかもしれない、その一点だろ?それさえどうにか出来ればいいのなら、俺がどうにかしてやる」
「そんな方法が…あるんですか?」
「アラガミを行動不能の状況でフェンリルに手渡し、代わりにお前らの安全を保障させればいいんだよ」
「アラガミを行動不能なんて……不可能ですよ」
「できるんだよ」
そう言って腕を変化させるとカナメは呆然とした表情で俺を見て、掠れた声で一言だけ呟いた。
「アラ…
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