アラガミになった訳だが……どうしよう
5話
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した。
実際はそんな生易しいものではありませんでした、あれは狂気の産物ですよ……胎児に偏食因子を組み込むなんて」
なるほど支部長が自分の息子を弄くってゴッドイーターにした計画だな、そこからあの支部長はどうにもペシミストになったようだったからな。
となると、そろそろアーク計画の原案ができたあたりだろうか?
「確かに科学に犠牲はつきものですが、それは未来ある者の為に払う犠牲であって赤ん坊を犠牲にするなんて間違っています」
「お前の科学の持論などどうでもいい、俺が聞いているのは何故逃げたかだ」
「……娘です」
ん?娘だったのか、あの赤ん坊は……で、それがどうしたのだ?
「娘は偏食因子への適合率が非常に高いと簡易検査で判明したんです。私はすぐに検査結果を処分して、フェンリルから逃げ出しました。
あのままでは娘も実験に使われるのではないかという恐怖心から、私はサカキ博士の下で作成した耐アラガミ装甲の試作型を幾つか盗み、ここまで逃げてきました。
この辺りは調査で比較的アラガミが少ないと出ていましたし、試作型でも十分な効果はありますからね」
確かに神機の開発もままならん状態なのだから、子供の命でアラガミへの何かしらの対抗策が見つかるのならば安い物だろう。
それに今のアラガミ程度ならば試作型で十分というのは正解だろうし、確かにこの辺りは比較的アラガミが少ないというのも恐らくその通りだ。
寺の辺りでは多かったアラガミもこの辺りでは極少数しか出会うこともなく、些かばかり空腹状態ではあるのだ。
ただ、もう数年すればこの辺りもアラガミで溢れかえるだろうし、それより前に試作型程度では何の役にも立たなくなるだろうしな。
………ここで見捨てるのが俺の存在がバレる可能性ある分最善なんだろうが、そればかりは寝覚めが悪いどころの話ではない。
体はアラガミでも心は残念ながら人間だからな。
非常に不本意だが助けてやるとしよう、重ねて言うが不本意極まりない。それにフェンリル関係者という事はアラガミの生息地にも詳しいだろうし、後々の役にも立つだろう。
ああ、そういえば大事なことを聞き忘れていた。
「お前、名前はなんて言うんだ?」
「名乗ってませんでしたか…台場カナメです」
全速力で回れ右して帰るべきだったな…
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