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アラガミになった訳だが……どうしよう
アラガミになった訳だが……どうしよう
4話
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中断、不幸にも程があるというものだな。そもそもこんな世界で旅に出ようとしたのだから当然と言ってしまえばそれまでなののだが、ここまでの傷を負ったのだ多少の愚痴は許してもらいたい。
どうにか夜明けまでにはこの山を抜けたいのだが、どうにもこの辺りの地形はかなり険しいようでやたらと谷やら崖が多く、アラガミの体でも少々厄介な道なのだ。
特に片腕が使えない今は尚更そういった谷やら崖は厳しい、岩が多いのであればそれを足場に飛び越えて行くのだが、その岩すらないのだから迂回する他ない。



はっきり言おうアラガミだからって山を舐めていた、所詮人外の力を得ても人型である以上限界はあるのだ。
調子に乗りすぎたな…ウロヴォロスの時といい負ける心配がない戦闘ばかりしていたのもあるが、やはりこの力にどこか浮かれていたのもあるのだろう。
俺の知るこの世界はゲームだったが、今ここにいる世界は間違いなく現実なのだ。
当然負ければ死ぬそれをどこか忘れていた、それは今後現れるであろうアラガミとの戦いにおいて非常に危険な状態だ。そう自分に言い聞かせながら歩みを進め、左腕が治るまでの間を過ごすための手頃な廃墟か何かを探す。
夜明けまでには山を抜けられそうにはないだろうし、山小屋でもあればいいんだが……そう都合良くある筈もないか。





奇跡とはあるのだな……大分痛んでいるが寺があった。
ウロヴォロスに追いかけられている内に随分と走ったらしく、あれから数時間歩いたところに入ると雪が降り始め、半ばヤケクソ気味に山を越えたところにこの寺を見つけたのだ。
本堂の方は屋根まで壊れているが、離れの方は大分原型をとどめているな。
ここに辿り着いた時は分からなかったが、ここはゲームでもあった寺だな。
あの街といい空母といい、妙に原作と所縁のある場所に行き当たるな。
まぁいい、そんなことより部屋の中は少々散らかっているが片付ければどうにかなるだろうし、この辺りにいるのはオウガテイルなどの小型アラガミが殆どで食料に困ることはない。
一週間程はここで体を休め、その後グボログボロを探すために海に出ようと思う。流石にそう何度もウロヴォロスレベルのアラガミとは出会わんだろうし、今後の旅は幾分か楽になるな。
とりあえず最初にやらねばならないのは、この散らかった部屋の片付けか……少しやる気が失せたぞ。











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